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「電子ピアノはクラシックの練習にならないが、ジャズやポピュラーなら問題ない」←間違い

電子ピアノはクラシックの練習にならないが、ジャズやポピュラーなら問題ない
よくこう言うことを言う人がいる。
私は、後半は間違っていると思う。
ジャズやポピュラーを電子ピアノでしか練習せず、生ピアノでは弾かない」なら正しい
むしろ電子ピアノ中心で練習した人が、生ピアノでジャズやポピュラーを披露した場合は、むしろクラシックより悲惨になる場合もある。
そこそこ高い電子ピアノなら鍵盤のタッチもかなり本物に近づいていると思う。しかしやはり奇麗な音になりすぎてしまので、微妙なタッチ差を意識するための練習は難しい。
電子ピアノで問題ないという人はジャズやポピュラーはクラシックほどタッチが重要でないからと言う。
しかし、私はそこでなくてジャズやポピュラーのもつ自由性が問題になると思っている。
当たり前だが、クラシックには楽譜があり、演奏記号がついている。
さてジャズやポピュラーはどうか?
ジャズはメロディーとコードだけのいわゆるリードシートというもの、さらにコードも簡単なコードで書いてある場合も多い。
コードは代理コードでもテンションでもお好きに変えてどうぞというスタンスである。
だから実際の名演奏というものをそっくりそのまま弾くとしたら耳コピしかないし、実際、名演奏を耳コピできなければ、いくら理論知ってもスケールやジャズフレーズが弾けてもジャズは上手くならないそうだ。
ポピュラーは楽譜がある場合もある。
しかしその手の楽譜は、厳密でないし、演奏記号がついているものとか見た事ない
シンセシアという音ゲーでもしかり。
でもそれで弾く人は少ないんじゃないか?
メロは耳コピしてコードだけネットで拾うとか、コードも適当に弾くとか、
そんなのがアニソン弾きとかに多いんじゃないか?
いずれにしても自分でアレンジして弾くわけである。
それで電子ピアノしか弾いてない人の生ピアノでの演奏を聞くと濁っている。
弾いてるコードの音数が多すぎとか、ローインターバルリミットを全く考えていないとか、左手と右手のメロの距離が近すぎとか、要は生ピアノで弾くとごちゃごちゃになるようなアレンジでも電子ピアノではそこそこ奇麗に聞こえてしまうので、電子ピアノを弾いている時に気づかない。
アレンジ時点で間違ってしまう。これがクラシックにないジャズやポピュラーでの弊害。
ダンパーペダルもそう。
ペダルをふみっぱにしても、電子ピアノは同時発音数の問題もあり、そもそも奇麗な音に聞かせたいから生ピアノと違ってよしなに減衰してしまう。
ダンパーレゾナンスも控え目だ。
さらに低音域を音量を控え目にして全体の粒を揃えるなどの余計な事までしてしまう場合もある。
下手な人でもうまく弾けたように思え、気持ちよくなる。
これが「電子ピアノの弾き心地」の良さと錯覚する人が大半
だからだ。
まあ、ジャズをまともやろうとする人、というか今日日、ジャズをやろうとしている人の殆どはまもとにやろうとする人が多いから問題ないが、ピアノチューバーの真似をしてストピでアニソンガチャ弾きをする連中には本当に酷い演奏が多い。

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