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入眠の儀式  〜続編 寝ない子誰だうちの子だ〜


逃げ足王子は、日を追うごとにパワーアップして行った。
母を振り切るようなスタートダッシュ💨
手を繋いで散歩なんて、夢のような話で、我が家には皆無だった。
公園にいけば、遊んでいる間に道路に出て行ってしまう。近所の公園に行くには、1人で公園に連れて行くのは無理だった💦
監視員の如く、ママ友と、王子の幼馴染みに、声をかけて遊びに行くようになって行った。

トイレトレーニングの頃。
コダワリが増え始めた。
イヤイヤ期でもあったが、トイレを外でしたがった。何故だか、公園のトイレが、お気に入りだった…
朝早く、公園のトイレに行きたがった。
我が家は社宅で、まだそこそこキレイなマンションだったから、設備的にもキレイだし、何で公園のトイレが魅力的だったのか、よくわからなかった💦

(なんで?うちでしてくれないの?😩)

今、改めて考えてみると、
銀色に輝くトイレのドアと、銀色に輝く便器は、確かに、カッコイイと思ったのかもしれない😜
この、公園のトイレにこだわっていた謎をいつか
本人にきいてみたい。

寝ない子誰だ。うちの子だ。
生まれた時から、眠る事は、上手ではなかった。
音や刺激への過敏さは持っていたようだ。
夜、寝るために、色々な儀式を試してみた。
絵本を読みきかせていたけど、
おしまいができなかった。
延々と読み続けなければならなくて、大抵は、
私や旦那が先に寝落ちしてしまった。

窓の向こう側に、仲良しのお友達が住んでいた。

夜、向かい合わせの家の部屋の明かりがついてる。
真っ暗な夜に包まれ、ポツンと光る窓から、
手を振ってくれる様子に、親子共にワクワクした。
『おやすみ〜⭐』
『おやすみ〜🌟』と互いに声をかけた。

(寝るのが嫌だった?)
(寝るのが怖かった?)
(ただ単に、寝るのが下手だった?)

それから、毎日、同じ時間に
向かい合わせの真っ暗な部屋から、
小さな明かりがチカチカ…。

電気を消して、懐中電灯でおやすみの合図。
それが、入眠の儀式になって、寝るようになった。

2歳を過ぎた頃。
検診を終えてしばらくして、保健師さんから電話がきた…。

言葉の遅れの指摘
療育をすすめられたのだ…

なんとなく、違和感は感じていたが、
この時はまだ、すんなりと受け入れることが
出来なかった。

言葉は遅いけど、男の子だから??そのうち…。

と、はじめての療育のチャンスを見送ってしまった。

後から、振り替えると、この頃、顕著に、
発達特性が現れていたのだ。

転んでも泣いたり、痛いと言わなかった。
なんて強い子なんだろうなんて、思っていたけど、これは、感覚鈍磨のひとつで、痛い、暑いなど、皮膚の刺激が感じにくい。

並べる
ミニカーや電車、人形は、走らせて遊ばない。並べて遊んでいた。タイヤの回るのが好きで、よく、ほっぺたに、タイヤを滑らせて楽しんでいた。

発達凸凹のイヤイヤ期を、
楽しい時間で過ごせていたのは、
お母さんが、私だけではなかったから。

私以外のたくさんのお母さんが、変わるがわるに
長男を追いかけ、
時にはなだめたり、叱ってくれたり、
何より、彼を面白がって、褒めてくれたのが大きか
ったんだと思う。

親に頼れなかった私は、
周りに、自然と助けを求めていた。
一人での孤育ては、
いつのまにか、母育てになっていた。






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