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【読書記録】ユーザー評価の落とし穴

こんばんわ。

本日は、携帯電話に搭載される日本語予測変換システム「POBox」や、iPhoneの日本語入力システムの開発者である増井俊之さんの著書、「スマホに満足してますか? - ユーザーインターフェースの心理学」を読みましたので、その読書記録を書いていこうと思います。

1.ユーザー評価

今回は、「ユーザー評価の落とし穴」という見出しで書かれていた内容について振り返っていこうと思います。

ちょうど1年ほど前から人間中心設計について本気で学び始めまして、最近は本業のソフトウェア設計の中にも人間中心設計プロセスを入れ込みながら設計をしていくこともやっています。

ちょうど年明けくらいから、Adobe XDを使ってソフトウェアのプロトタイプを作って、ユーザー評価も実施しています。

初めての試みなので、参考書を見たり、有識者に聞きながら評価を進めているのですが、その中でも難しいなぁと感じているところがいくつかあるのです。

その私が感じていることがまさに本書にも書かれていて、ユーザー評価の落とし穴としてまとめられていたのでしっかり振り返ろうと思います。

2.ユーザー評価の落とし穴

本書では、ユーザー評価に重きを置きすぎた場合に以下のような弊害があると書かれていました。

・新規性があるシステムについてデザインの初期段階でユーザー評価を行うと、現存のインターフェースと似ていないという理由で低い評価しか得られないことがある。
・先進的なものを試す場合、未熟な部分が少しでもあれば、そのために良い部分が隠れてしまい、低い評価しか得られないことがある。
・普通のユーザーは積極的に新しいシステムを利用しようとは思わないものなので、文化的に技術がどのように受け入れられていくかを長期的に考える必要があるが、短期的なユーザー評価ではこれがわからない。
・既存のシステムに慣れたユーザーは、それとは異なるシステムを「直感的でない」と感じてしまい、低い評価を与えてしまいがちである。

ここに書かれていた弊害は私も自社でユーザー評価を実施している中で感じていました。

まず、既存のGUIを大きく作り替えた時に、既存GUIと比較する形で同じシナリオを行なってもらい、比較しながら気付いた点にコメントをもらいます。

その場合、特に既存製品を使っていただいていて、そのGUIに慣れてしまっているユーザーはどうしても新しく作り替えたに対してスムーズな操作ができず、直感的に「使いにくい」と感じてしまっている気がしました。

ユーザーによっては「慣れれば使いやすいかも」というようなコメントをしてくれたりするのですが、まさしくこれだなと。

ヤコブニールセンのユーザビリティを高くするための要素の一つに「学習しやすい」があります。これを確認するためにも、同じシナリオを何回か繰り返し操作してもらうような評価手順にしてみるのも一つの手かなと思いました。

また、どうしても新しいGUIについてはあくまでもプロトタイプになるので、作りきれていない箇所がいくつもあります。何かのきっかけでその部分を操作しようとすると、上手く動かず、進行役がつくりきれていないことを伝えないといけないので、なんとなく操作に躓いた印象が残ってしまうようです。

3.学び

上記の説明と、自らユーザー評価を実施した経験を踏まえて、今後のユーザー評価は以下のように実施してみようと思います。

①ユーザー評価は既存製品と比較する方法にせず、絶対評価で見てもらう。

②繰り返し操作してもらうことにより、学習のしやすさを踏まえて評価してもらう。

それでは。


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