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詩「今」



この手の平には
なにもない

ただ 頼りない体温のみが
私 を知らせている。

この記憶は
すでに届かない

履けなくなった靴のように
あなた を眺めている。

たったひとつ あるとしたら
それは 今

私の名と 手をつないで
ときには 手放して

今 と 約束を交わしている

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