11*特別な日の特別な朝
バルアトルケものがたりⅠ*11
しばらくふたりはお互いをみつめ、黙っていました。
セオナルドが言いました。
「僕はセオナルド。こんな朝早くにどうしたの?」
「僕は僕の名前を見つけに来たんだ。今日は僕にとって特別な日なんだ。」
シロが答えるとセオナルドは不思議そうに
「本当の名前って?でも君はシロって言ったよね?」
「うん。今の名前はシロ。でもユニコーンは6歳になると本当の名前をもらうことになっているんだ。そして今日がぼくの6歳の誕生日なんだよ。」
「今日、きみの誕生日なの?僕も今日誕生日なんだ!6歳の!」
ふたりは顔を見合わせて、にっこり笑いました。
「どうやって、名前を見つけるの?」
セオナルドが聞きました。
「もうほとんど見つかったようなものなんだ。」
シロが答え、さらにつづけました。
「今日一番に、はなしをしたひとが、名前をくれる人なんだ。
それはセオナルド、君なんだよ!」
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