9*名前を見つけに
バルアトルケものがたりⅠ*9
シロはとても朝早く目が覚めてしまいました。
森で一番の大きな木の隣、バラの茂みの中につくった寝床は、
やわらかく、いい匂いがします。
あたたかさを楽しみながら、もぞもぞと足を動かすと
隣で、おかあさんユニコーンが言いました。
「シロ、誕生日おめでとう」
そうだ、今日は僕の6歳の誕生日だった。なんだか特別な感じがする。
シロは思いました。
そこへ朝の見回りを終えた、おとうさんユニコーンが帰ってきました。
シロが起きていることに気付き、言いました。
「シロ、誕生日おめでとう。ユニコーンの6歳の誕生日は特別な日だ。
今日お前は、本当の名前をくれる、誰かに出会うことになるだろう。」
シロは尋ねました。
「どうやって、その人を見つけるの?」
「今日、これからお前はこの森の外へ行くんだ。そうして一番初めに言葉を交わした人が、その人だ。」
おとうさんユニコーンは言いました。
「わかった。今から、行ってきます。」
シロは元気よく言い,ました。
森のはずれまで、おとうさんユニコーンとおかあさんユニコーンは、一緒に来てくれました。
シロは歩きながら思いました。
「僕は、本当の名前を見つけに行くんだ!なんてすてきなんだ!!」
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