7*友情
バルアトルケものがたりⅠ*7
黄金のかけらをつかもうと、手を伸ばしているセオナルドをみながら
ユニコーンが言いました。
「この子は太陽に護られていたんだが、その護りが強すぎて、世界がよく見えなくなっていたようだ。護りを弱めたので、これからは見えるようになるだろう。あとは草や葉や花、自然にじかに触れ、繋がれば大丈夫。」
そして 足元に咲いていた花をくわえ、セオナルドにさしだしました。
セオナルドはその花をつかんで目の前にかざし、にっこりと笑ったのです。
おとうさんとおかあさんは、それを見て、
顔を見合わせて笑顔になりました。
「ありがとうございます!このお礼はどうしたらいいのでしょう?」
ユニコーンは言いました。
「お礼など必要ない。わたしにも、夏の日の夜にうまれた子がいるのだ。
いままで、同じ国にいながら、ユニコーンとエルフィはあまりかかわってこなかった。これからは、もう少し付き合いをしていこうではないか。」
セオナルドのお父さんは、うなずきながら言いました。
「そうですね。お互いを知り、理解することはとてもよいことだと思います。エルフィの仲間にもそう話します。本当に、どうもありがとう。」
こうしてユニコーンとエルフィの友情が交わされたのでした。
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