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8*誕生日の朝

バルアトルケものがたりⅠ*8


ガタン ゴトッ コン コン コン・・・


聞きなれない音でセオナルドは目を覚ましました。

部屋の中は薄暗く、遠くから、目覚めたばかりの鳥たちの歌声が、聞こえてきます。

家の中は静かで、隣の部屋のおとうさんもおかあさんも、まだ寝ているようです。

「何の音だったんだろう?」

・・・・・・・・・・・


コン コン


また音がしました。

セオナルドはベッドの上に起き上がりました。

「暗いうちにひとりで外に行っちゃダメっておとうさんもおかあさんも

言ってたけど、様子を見るだけ。」

小さく声に出してみました。

おとうさんとおかあさんはぐっすり眠っているようで、隣からは何の物音もしません。

「大丈夫。だってぼくは今日から6歳になるんだし。」

セオナルドは、パジャマにしている大きなTシャツのまま、ベッドの足元に丸まっていた靴下を履いて、念のために森で見つけた木の棒をパジャマの後ろに挟み込みました。

そうっと部屋から出て、玄関のドアの前で立ち止まり、聞き耳をたて、小さな声で言いました。


「誰かいるの?」


コトっと動く、なにかの気配がしました。


「おはよう。ぼくはシロ。」


鍵穴から外を見ると、白い動物がいるのが見えました。

セオナルドは、背伸びをしてドアを開けました。



そこにはちいさなユニコーンが立っていたのです。






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