13*森の奥まで
バルアトルケものがたりⅠ*13
森の奥までの帰り道、シロの足取りは軽やかでした。
本当のなまえ 本当のなまえ
と、こころのなかで呪文のようにつぶやきながら、歩いていきました。
バラの茂みに着くと、おとうさんユニコーンとおかあさんユニコーンは草を食べていました。
「おとうさん、おかあさん、ただいま。僕の特別な人に会うことができたよ!」
「まあ、それはどんな人だったの?それで本当の名前はもらえたの?」
おかあさんユニコーンがききました。
「同じ年のセオナルドという男の子。原っぱに住んでて、今日が誕生日なんだって。セオナルドが、エルフィに伝わる本を見て、ぼくのなまえをみつけてくれるんだ。」
「セオナルドという子のことは知っている。太陽に護られている子だ。そうか、あの子に会ったのか。」
おとうさんユニコーンが言いました。
「おとうさん、セオナルドを知ってるの?今日の夕方、誕生日パーティーがあるから、一緒にお祝いをしようって。おとうさんもおかあさんも来てって言ってた。なまえのことも聞けるから、いいよね?」
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