クリエイターなら知っておきたい著作権について。
■はじめに
「インスパイアとパクリの境界線とは?」という記事がプチバズをしていました。
記事では過去のパクリ事例、訴訟、スティーブジョブス・ディズニーの対策や思考、中国の盗作文化など、様々視点からインスパイア・パクリ問題を説明しています。
(詳細はリンク先をどうぞ。)
https://blog.btrax.com/jp/inspire/
そもそも創作物には、発明・作成した者に与えられる権利があるという事ですが、著作権について詳しく把握してますでしょうか?
自分が「これは新しい!」と思い付いて行ったプログラミングやデザインをしたとしても99%、必ず誰かしら似たような行為を先に行なっている存在がいます。
知らず知らずに、著作権に抵触してしまわない為にも、概要を把握しておきましょう。
■概要
著作権は「知的財産権制度」の中に含まれる権利で、そのほかに下記の権利があります。
・特許権
発明の保護
出願から20年
特許庁
・実用新案権
物品の形状、構造などの考案を保護
出願から10年
・意匠権
物品のデザインを保護
登録から15年
・商標権
商標(商品やサービスに付ける名前やマーク)を保護
登録から10年
・著作権
独創性のある作品を保護
公表後および死後50年
著作権は登録申請は必要なく、創作した時点で自動的に発生します。
ここが,登録することによって権利の発生する特許権や実用新案権などの工業所有権と異なる点です。
ちなみに、商標権は登録から10年となっていますが更新が可能な為、半永久的に権利を得ることができます。
(その都度、申請が必要なのと申請費用がかかる)
■例: キッコーマンの醤油(いつでも新鮮Ⓡ しぼりたて生しょうゆ)の保護
この記事のビジュアルの商品にも知的財産権制度が使われているのですが、「①〜⑤」「ボトル」「ボトル用キャップ」にも各々権利があります。それぞれ、どの権利に該当するか分かりますでしょうか?
(補足しますと、キャップには酸化を防ぐ為に空気が入りづらくする仕組みとなっています。)
答え
①〜⑤:商標権
「やわらか密封ボトル」商標登録出願中
「いつでも新鮮」 登録第5860508号
「キッコーマン六角形マーク」登録第50131号
「キッコーマン」 登録第5318300号
「KIKKOMAN」 登録第5032970号
ボトル:意匠権
キャップ:意匠権、特許権
説明
・ボトルとキャップは、物品のデザインに関わる箇所なので、意匠権に該当。
・①〜⑤は、商品の・サービスに使用する名前やマークに関する箇所なので、商標権に該当。
・キャップの空気を入れづらくする仕組みは、発明に関するので、特許権に該当。
キッコーマンは商品のそれぞれに知的財産権を出願しています。
■さいごに
「インスパイアとパクリの境界線とは?」という記事をきっかけに、著作権に調べてみました。
創作をした時点で著作権が発生するので、申請せずとも何かの作品が似てしまった場合、「公表後および死後50年」に該当すれば、パクりと言われると同時に著作権の侵害となってしまいます。
(「公表後および死後50年」の作品であればパクりと言われても、著作権の侵害では無い)
近年では、東京オリンピックロゴ問題でもパクリ問題が発生しましたが、パクリか否かはかなり難しいです。
今後もパクリ問題は続きますし、自分たちが起こさない為にもクリエイターの皆様は、「インスパイアとパクリ」論争と、知的財産権については頭に入れておくと良いと思います。
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