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アシンメトリーな日記:9日目

好きな人

初めて彼女に触れたのは「innocent world」
メロディーが僕を鼓舞して舞い上がらせてくれる。
僕はそんな彼女に恋をしてしまった。

音楽の授業でも、一生懸命は歌うけど上手なわけではなく特別好きでもない。
落ち着きがないので、机に向かって授業を聞くよりは好きだったくらい。
だから、音程とかリズムとか分からないけど、彼女に漂うメロディーが好き。
当時の僕には全部の意味を理解することはできなかったけど、詩が好き。

うん、もう全部好き!

可憐な少女が好きな人を思う気持ちに似ているのだろうか。

彼女が目に留まれば、すべての僕の時が止まり夢中になる。
ビデオなんてのもなかったし、CDプレーヤーすら家になかった。
だからなのか思いは募るばかり。

七夕を想像していた。
一年に一度しか会えない織姫と彦星は、364日どんな想いで過ごしているのだろうか。
お互い会えるのは24時間。
25時間後には364日という目もくらみそうな数字が目の前に立ちはだかる。好きという感情は不安を伴い安定を失う。そしてどうしようもなくて顔をそむけてしまう。
それでも、しばらくすれば自然と彼女の事を考えていて、想いを巡らせながら色々と思い描く、想像する。

幸福感に包まれる。自分の存在と彼女の存在がこの地球上に誕生したことに感謝する。そしてまた不安になる。

傷付けられるのが怖くて、自分が起き上がれなくなるほど打ちのめされるのが怖くて、悩む考える。

と起伏がとても激しくなる。

恋はエネルギー

その幸福感、不安、不安定、想像や感情の起伏は、人生を彩る必要な凸凹で、サラダ皿の端に乗ったレモンのように、甘酸っぱいスパイスでないのか。

もちろん当時の僕には、そこまで考えられていなかった。


今回はここまで

それではまた、あす!