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アシンメトリーな日記:12日目

とりはだ


そして僕は中2の秋、ミスチルのコンサートに行けることになる。
「深海」のコンサートチケットが奇跡的に僕の公衆電話からつながった。
当時、コンサートチケットが発売予定だと同じ部活の友人Rが声をかけてきた。
それでクラスメイトを誘ったら彼も行きたいと乗り気。
しかしまずはチケットを取らないといけない。当時の入手方法は、チケットぴあの店先に深夜から並ぶか、電話をかけてチケットの予約をして取るか。僕たちは中学生なので並ぶという選択肢はなく、指定日に電話をすることになった。

当日、打ち合わせ通り、3人で手分けして近くの公衆電話ボックスへ。日曜の昼過ぎ、電話番号の書かれたメモと小銭をポケットに入れて公衆電話へ駆け込んだ。

僕は昔からクジ運が良かった。父親が抽選の応募で家族全員の名前を書いて出すと当選するのは、決まって僕の名前だった。小学生の時に宝くじを買って来いと言われて買った宝くじが5万円当たるなど、僕はクジ運に恵まれていた。
だから今回も、電話がつながってコンサートに行ける自信があった。

そして、電話はつながった。
願えば叶うというよりは、なぜか確信めいたものだった。

コンサート当日

生まれて初めてのコンサートは圧巻だった。遠くから過ぎて、ステージ上のメンバーは米粒のようだったけど、あのコンサートの一体感に鳥肌は立ちっぱなしで、興奮してアドレナリンも放出していたのか。
秋ごろだったけど適度に汗もかいて、そのまま電車に乗って帰宅した。

ミスチルのコンサートに行ったのはその一回だけど、忘れられない夜になった。

あの鳥肌を忘れない。

そういえば、前に本に「鳥肌は忘れない」というフレーズがあった。
その時の鳥肌を自分が覚えていて、その時の鳥肌はあの感動した数時間を忘れることはないだろうというもの。

鳥肌さん、ありがとうございました。


今回はここまで、

それではまた、あす!