【新型コロナウィルス】日本の対応はなぜ遅い!? 知っておくべき集団免疫という考え方
新型コロナウィルスに関して、日本は検査も少なければ、対応も遅くて甘いと言わざるをえません。
いったいなぜなのでしょうか。
間もなく東京、大阪などに緊急事態宣言が出されますが、欧州などが行う都市封鎖のような厳しいものにはなりません。自治体ごとにどのような対策をしていくのかなど、注視していく必要があります。
この記事では集団免疫という考え方を調べています。
「集団免疫は多くの人がワクチン接種や自然感染によって免疫を付けることでウイルスを封じ込め、新たな感染を防ぐ考え方。集団の多くが感染すれば、感染者の体内につくられた抗体や細胞性免疫が病原体を抑え込むため、感染を広げなくなる」
「(免疫が広く獲得されるまでに)多くの重篤な患者が出て、医療崩壊や社会機能のまひを招きかねない」
「感染が長期化することで、既存のウイルスに対する免疫の効かない変異ウイルスが出現する恐れもある」
新型コロナ「集団免疫」で沈静化する?英国は数日で方針転換
まず、新型コロナウィルスは再感染することが確認されています。また、報道は多くされていませんが、変異している可能性があると推測されます。
新型コロナウィルスは未知な点が今でもあまりに多く、日々新たな情報が出てきています。
つまり、従来のような集団免疫が有効になるかも未知数と言えるのではと思ってしまいます。
集団免疫が有効になるには、国民の60%が感染して免疫を持つことが条件と言われています。
仮に集団免疫の戦略を日本で採用したと仮定すると…
日本の人口は約1億2600万人です。人口の60%が感染するということは、7560万人の感染が必要です。
そのうち20%が重症化するので、数値は1512万人です。
2%が亡くなると言われており、151万2千人が亡くなることになります。
こうして見ると、いかに集団免疫を獲得することが困難かわかります。
「英国政府が出した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する「集団免疫」アプローチは、結果として25万人もの命を奪う可能性があり、保健医療機関の崩壊阻止にほとんど役立たないと、厳しく評価している」
アメリカだけでなく欧州のほとんどの国では、
「多くの人が集まる機会を抑制し、隔離措置を課す「社会距離戦略」を推進」
しています。つまり都市封鎖などをしてウィルスの拡散を抑止する方法です。
一方、英国が採用しようとした集団免疫は、
「人口の少なくとも60%が新型コロナウイルスに感染し、回復することが見込まれている」
という考え方です。しかし、この考え方では多くの死者が出る点、保険医療リソースの需要が非常に高まることなどデメリットが多く批判が噴出。
英国はすぐに戦略の見直しに迫られました。
日本はいったいどういう戦略を取っているのでしょうか…
「英国政府が当初、集団免疫の方針を打ち出していたが、犠牲者が40万人に上るとの試算を受けて、徹底的な検査と隔離策に転じた例を取り上げ、日本政府の方針は集団免疫の獲得か」と質問した大塚議員
「イベントの自粛など徹底したクラスター対策で、感染のピークを小さくし、治療薬の開発に必要な準備期間を確保しつつ、可能な限り死亡者を抑制するもので、集団免疫の獲得を直接の目的とはしていない」
と安倍首相は答えています。
訂正-感染防止策、「集団免疫」獲得を直接の目的とせず=安倍首相
ということで「(直接的には)集団免疫を目指していない」とあります。徹底したクラスター対策とありますが、少ない検査で対応できるのか疑問を持ちます。
とにかく、多くの国で採用される「社会距離戦略」と比べると、日本の対応は緩やか、穏やかである点は否めません。
欧州も英国やドイツではまだ、集団免疫の可能性も完全には捨ててないとも言われています。
しかし、現実的には多くの国が都市封鎖しています。
ですが、スウェーデンは集団免疫を取る欧州では数少ない国です。
スウェーデンでは可能な範囲での在宅勤務などが促されています。飲食店も濃厚接触を避ける措置をとれば営業できます。
「4月末には国民の半数に当たる500万人が感染するぞ」と数学者から警告されている国がある。スウェーデンだ。
「スウェーデンは自己隔離・社会的距離の推奨・イベント禁止・休校措置はとっているものの、都市封鎖はしていない」
「気分の優れない人、70歳以上の高齢者には自己隔離が勧告されているが、50人以上の集会が禁止されたのは3月29日からと遅かった」
「(スウェーデン政府は)市民に「大人の対応」を求める。国家による規制より、市民の自主性、個人の自由を重んじようというわけ」
「2000人以上の医師、科学者らがより厳しい措置を講じるよう求める請願書を政府に提出した。集団免疫を獲得するまでに何人の人が犠牲になるか分からないからだ」
新型コロナで都市封鎖しないスウェーデンに、感染爆発の警告(NEWS WEEK)
(1)中国の国家統制型フル・ロックダウン
(2)欧州の段階的ロックダウン
(3)日本やスウェーデンの「大人の対応」
(4)韓国やドイツのPCR検査のローラー作戦
とこの記事では各国の対応を4種類に分けていますが、日本は集団免疫を取るスウェーデンと同じ区分にされていますね…(記事を書いた人の意見ではあります)。
都市封鎖の効果に関して…
(調査は)オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスの11カ国
調査対象の11カ国のうちスウェーデンを除く10カ国がロックダウン中
政府による「強力な介入(ロックダウンなど)」の成果により全体で約59,000名の命が救われたと算出
強硬措置をしばらく継続する必要性を強調
新型コロナウイルスの基本再生産数が11カ国平均R0=3.87だったのがロックダウン後に1以下にまで減少したにもかかわらず、スウェーデンのみが2.64
日本と同じ?違う? ロックダウンしていないスウェーデンの場合
※基本再生産数はR0<1(R0が1より小さいと終息に向かう。
R0>1(R0が1より大きいと感染拡大の恐れがある。
長くなりましたが以上です。
日本では「自粛」という言葉を見ない日はないほど、メディアで言われています。
もちろん、個人の「自粛」は必要なのですが、政府の「説明」、メディアの「事実の報道」も絶対必要だと思います。