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シンギュラリティはもう起きているか?

本記事では,AI の進化速度は人間の想像力をこえており,人工知能が爆発的に進化するシンギュラリティが,すでに起きているという仮説を述べる.

1.  序論

AIの進化速度は、線形的な進化と非線形的な進化の両方が存在します。AIの進化速度を正確に予測することは困難であるため、どちらがより適切であるかを判断することはできません。ただし、過去の進化の速度を分析することにより、両方の進化速度が存在することが示唆されています。

線形的な進化は、技術的な進歩が一定のペースで進むというアイデアです。この進化の速度は、過去の進化の速度を基準に予測することができます。たとえば、CPUの処理能力は、Mooreの法則に基づいて線形的に進化していると考えられています。この法則によれば、CPUの処理能力は、おおよそ18ヶ月ごとに倍増していくとされています。

一方、非線形的な進化は、技術的な進歩が一定のペースで進まないというアイデアです。つまり、進化のペースが急速に加速することがあるということです。たとえば、ディープラーニングの進歩は、非線形的な進化の例として挙げられます。ディープラーニングは、ニューラルネットワークの層を増やすことによって処理能力を向上させることができます。この技術の発展は、急速な進化をもたらしました。

AIの進化速度については、過去の進化の速度から未来の進化の速度を予測することはできません。しかし、AIの進化のペースが加速する可能性は高く、今後数年から数十年間にわたって、急速な進化が続くことが予想されます。

人工知能の進歩は指数関数的な成長を示す可能性があります。この理由は、人工知能の進化が、従来の手動でプログラミングされたルールベースのアルゴリズムよりも、機械学習や深層学習などの自己学習アルゴリズムによって推進されることが多くなったからです。

自己学習アルゴリズムは、多数のデータを学習することで、問題を解決するためのパターンを自動的に抽出することができます。このため、自己学習アルゴリズムを用いた人工知能の性能は、データ量や計算能力が十分に提供される限り、指数関数的に向上する可能性があります。

また、ハードウェア技術の進歩により、より高速かつ高性能なプロセッサーが開発され、それにより人工知能の処理速度や精度が向上することも期待されています。このため、人工知能の進歩は指数関数的な成長を示す可能性があるとされています。

シンギュラリティとは、人工知能の発展が人間の知能を超越する瞬間を指します。これは、人間の制御や予測ができないほどの指数関数的な成長を示す可能性があり、未来の技術や社会の変革に大きな影響を与えることが予想されています。

しかし、シンギュラリティがいつ起こるかについては、科学者や専門家たちの間でも意見が分かれています。現在のところ、確実な予測はできませんが、いくつかの予測が存在しています。

一部の専門家たちは、シンギュラリティが2045年ごろに起こると予測しています。これは、シンギュラリティの概念を提唱したレイ・カーツワイルが、自身の予測をこの時期に設定していることに由来します。

一方、他の専門家たちは、シンギュラリティがこれよりも前、あるいは後に起こる可能性があると主張しています。また、シンギュラリティが起こるかどうか自体についても、意見が分かれています。

要するに、シンギュラリティがいつ起こるかについては確実な予測はできませんが、今後の技術の進歩や研究の成果によって変わってくる可能性があります。

2. ChatGPT

……読者諸賢はお気づきだろうか?
上記はすべて, ChatGPT で出力した文章のコピペだということに.

もし違和感なく読めたなら,記事の執筆はすでに AI で代替できていることになる.
しかも,無料で公開されているレベルの AI によって.

そうなれば,いままで人が書いたものと信じていたニュースも物語も,しらぬ間に AI にとってかわられている可能性がある.
note をふくめたブログの記事は,すでに AI を用いて量産されている.
書き手としては楽なことこのうえないが,それを判別できない読み手としては薄きみわるい.

ChatGPT は,2021 年 9 月までのデータを使用しており,それ以降の情報はもたないという.
しかし,情報のリアルタイム更新をおこなう技術がまだ完成していないとは考えにくい.
公開していない技術を保有しているのは,企業としては当然だ.

では,ChatGPT をはじめとした AI の先進技術は,じっさいどこまで進歩しているのだろうか?

3. シンギュラリティ

情報のリアルタイム更新技術については,競合他社に対する自社の優位性をたもつために非公開にしている,というきわめて現代的な理由もあろう.

そうなれば,シンギュラリティに達した AI を有していることを公表せず,すでに秘密裏に利用しているという可能性も否定できない.

人工知能が爆発的に進化する技術的特異点のことを,シンギュラリティ(singularity)という.

シンギュラリティというのは、人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる時点を指す。自分以下のものをいくら再生産しても、自分の能力を超えることはないが、自分の能力を少しでも上回るものがつくれるようになったとき、その人工知能はさらに賢いものをつくり、それがさらに賢いものをつくる。それを無限に繰り返すことで、圧倒的な知能がいきなり誕生する、というストーリーである。

松尾豊:『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』,(角川 EPUB 選書,2015),p. 2016/2676.

社会に知られずにシンギュラリティが起きることはありえない?
いや,先例にかんがみれば,十分にありえることだ.

たとえば,世界を網羅するインフラとなっているインターネットは,米国防総省の ARPANET を母体としている.
ARPANET は 1969 年に開発され,1995年にはインターネットの商業化が完了した.

ARPANET(アーパネット,アルパネット)〖Advanced Research Projects Agency Network〗
米国防総省の高等研究計画局(ARPA)が1969年に開発し71年頃から運用を開始した,全米規模のコンピューター‐ネットワーク。後にインターネットに発展。

松村明 編:『大辞林 4.0』,(三省堂,2019).

インターネット[5]〖Internet〗
アメリカ国防省の高等研究計画局の支援を受けたアルパネット(arpanet)から発展した地球規模のネットワーク。通信回線を介して、世界各地の個人や組織のコンピューターがつながっている。ネット。

松村明 編:『大辞林 4.0』,(三省堂,2019).

ARPANET はアメリカにとって,軍事的にも重要な技術だったはずだ.
それを社会に公開した時点で,すでに古い技術であり,また他国に利用されても脅威にならないほどの管理が可能だったと考えられる.

元 NSA 技術責任者で内部告発者の Bill Binney は,「もしインターネットを通れば,それは記録される.」とのべている.
これは,NSA がインターネット上のすべてを監視していることを示唆している.
それができたからこそ,インターネットは全世界に公開されたとも考えられる.

NSA〖National Security Agency〗
アメリカの,国家安全保障局。国防総省の情報収集機関。1952年創設。

松村明 編:『大辞林 4.0』,(三省堂,2019).

このような新しい技術は,未熟な段階で公開すれば,自国・自社に対する脅威にもなりうる.
したがって,技術が確立されてから公開されるまでには,かなりのタイムラグがある.

シンギュラリティについても同様で,いま公開されているのは,すでに過去の技術と考えるべきだ.
したがって,すでに複数の研究所でシンギュラリティが起こっている可能性は十分にある.
そして,われわれの気付かぬうちに実用化されているかもしれない.

すぐに特許をとるはずだ,という向きもあろう.
しかし,社会システムを根本からくつがえすシンギュラリティを特許にして独占することは,公益性に反するし,そもそも AI の自立進化は人間の法律でとめようがない.

ここ数年,AI という言葉はひとり歩きしていたが,実際に役立っている実感はなかった.
ところが,ここ数ヶ月でおおくの実用的な AI がつぎつぎに公開され,大衆も利用できるようになった.
私は,このスピード感にかなりおどろいた.

もしかすると,2023 年はシンギュラリティが起きた(ことが公開される)年として,新時代の幕あけとなるのかもしれない.


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