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「言語化できない」のはあなたの前だけかもしれない話

常套句「今の若者は言語化が苦手」

相談援助業務をしていると、クライエントの言語化もですが、援助職も言語化していくことが求められます。

私は「相談を受ける力だけでなく、相談する力を高める」ことを重視して教育しています。
相談する、誰かを頼る、人を巻き込むには言語化は必須ですね。


現役で社会福祉士をしていた時は、
クライエントの相談する力って凄いな。自分は困った時に、これくらい自分の現状を説明できるだろうか」と思ったものです。

大学の教員になってからは、学生のレポート添削をしたり、実習に向けての計画書、講義系レポートの評価などをしています。
ここで、感じるのは「今の大学生は言語化するのが苦手だ」ということです。

言葉の言い回しもですが、福祉に関心がないのか、書くことが薄過ぎる。

そう思っていました。

あれ、言語化できるじゃないか

印象が変わったのはある学生の実習指導を担当した時です。
実習前は計画書も十分に書くことができず、学びたいことを尋ねても曖昧な返答しかありませんでした。


いつものように「言語化の苦手な学生」というレッテルを貼り(笑)、実習先にも配慮いただけるような連絡をしていました。


実習が始まって2週間経った頃です。
実習指導者と面談した際、「あのAさん、凄く高い問題意識を持っているし、気になることも積極的に言葉にしてくれますよ。良い学生さんですね」との言葉をいただきました。


え?!

あの学生が。実習で書く記録も見ていくと、日を追うごとに内容もしっかりと書かれていましたし、実習の様子を見ていても職員や利用者と積極的にコミュニケーションを取っていました。

経験によって成長したのかなと思うとともに、
私が学生の魅力を引き出せなかったんだなと思うようになりました。

「前提の知識がない、現場がイメージできないから言語化できていなかった」という部分はあれど、そんなに短期間に蓄積できるものではありません。
職員の関わりが学生を安心させてくれたのでしょう。

私は教員という立場から学生を緊張させる、遠慮させるような振る舞いをしていたのかもしれません。
学生が元々持っていたもの、思いついていたけど、「言語化できなかった」もっと言うと「言語化しなかった」だけなのかもしれないと思うようになりました。


言語化するためには、言語化できる環境整備が大切ですね。
これは対クライエントにとっても同じだと思います。


皆さんは相手の言葉、引き出せていますか??

本日は以上です。
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