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【2021読書】No.100『渋沢栄一と安岡正篤で読み解く論語』

本日もお読みいただきありがとうございます。
昨年は、500冊の本を読みました、五木田穣(ごきたゆたか)です。

2021年100冊目の読書は、
『渋沢栄一と安岡正篤で読み解く論語』
でした。

※なお、この投稿は、本の内容を要約する趣旨のものではございません。

あくまで個人的な感想をベースとしており、その心は、
本は自分で読んでこそ、自分の血となり肉となると考えるからです。

そこは、「知識」と「知恵」の違いであり、
「知識」を「見識」に高めるためには、
あくまで自分の知識と経験を高める必要があると考える
からです。

この記事が、何かのきっかけになれば幸いです。

読もうと思った理由

安岡定子さんの新著。
安岡定子さんは、安岡正篤さんのお孫さん。

私が最も読んでいる著者は、安岡正篤さん。
そして、渋沢栄一さん。

このお二人の視点から論語を読み解くなんて、ドンピシャすぎる本。

すぐに購入しました。

読んだ感想

ちょうど、『マンガ論語と孔子』を読んだ直後だったこともあり、
より深く理解しやすかったように思います。

「日本の資本主義の父」と呼ばれる「渋沢栄一」
「歴代総理の指南役」と呼ばれる「安岡正篤」

幕末から明治を生きた渋沢栄一。
戦前戦後を生きた安岡正篤。

共に激動期を生きた2人。
その2人が論語をどう捉え、何を伝えようとしたか。

そして今、激動期を迎えようとしている今。
時代が変わろうとしている今、読みたい1冊です。

以下、論語から最近響いている文を5つご紹介します。

①子曰わく、性、相近し。習い、相遠し。

「性」とは生まれつき持ってる性質のこと。
「相近し」とは、ほとんど一緒ということ。
「習い」は、習慣や学習のこと。「相遠し」は、違うものだということ。

五木田語訳するならば、

孔子先生は仰った。人間の生まれつきの性質に大きな差はないのだよ。
生まれた後の習慣や学習によって、その差が大きくなってしまうんだ。

つまり、良い習慣を身につけることが大事だと言っています。
それこそが、人間を磨くものになると。

良い習慣とは、
当たり前のことがきちんとできるか。
「仁」や「徳」を心がけた生活ができているか。

挨拶をする。掃除をする。物を大切にする。紳士淑女に振る舞う。

普段のちょっとした心がけの差が、人間力の差となる。

②子曰わく、人にして遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り。

ざっくり言えば、

遠い先まで見通して行動しないと、必ず近い将来困ったことになるよ。

今の積み重ねが未来を決めますが、
未来を見通した上で、今やるべきことをやる。
未来を見通した上で、やってはいけないことはやらない。

一時的な感情で動いてしまうと、人ともめたり、
敵を作ったりしてしまいがちです。

これ、何にもいい事がない。

言動は感情的にではなく、熟慮しなければならない。
遠きを慮りながら、今を生きる。

ちなみに、「遠慮」という言葉は、ここから来ています。

一時的な感情で動かず、将来を想い、相手を想うからこそ、
遠慮するという配慮が生まれるんだと思います。

③子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。

孔子先生は仰った。
ある事を知っているだけの人は、それを好きになった人には及ばない。
それを好きになった人も、そのことを楽しんでいる人には及ばないんだよ。

知って、好きになって、楽しむ。
楽しいに勝るものはない。

今やってること好きですか?楽しんでますか?
楽しめない、好きになれないなら、続けられない。

逆に、続けることでどんどん知り、どんどん好きになり、
どんどん楽しくなるということもあるでしょう。

まずは、知ること。調べること。学ぶこと。

知識が増えると、見え方が違ってくるので好きになってくる。
好きになってくると、やることが楽しくなってくる。

楽しいことを続ければいい。
楽しくないことは続けられない。

④曾子曰く、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか。朋友と交わりて信ならざるか。習わざるを伝えしか。

曾子は、孔子の弟子です。

「忠」とは、己の誠を尽くすこと。誠実さと言っていいでしょう。
「信」は言葉に偽りがないこと。嘘をつかないこと。

曾子は言った。私は日に何度も自分の行いを省みている。
人の為に、真心を尽くしていなかったのではないか。
友人に対して嘘をつかなかったか。
自分がまだ理解できてないことを、人に教えてしまっていないか。

三省の三は、3回と言う意味ではなく、
日に何度も反省するということです。

「反省」の「省」とは、「省みて」「省く」ことを意味します。

自らを省みて、省いていく。
駄目なところ、無駄なところを省いていく。
そこに成長がある。

反省すると口だけで言って、行動が伴わないのは、ダメです。
どこかの小泉進次郎みたいです。

 「反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省をしている」

ちょっと何言ってるか分からない。

あ、どこかの安倍晋三もですね。

反省って意味知ってるのかな?

いや、政治家全般がそうですね。

人として誠実に生きているかどうか、謙虚に生きているかどうか、
自分の在り方はどうか、自分の言動はどうか。

何度も何度も反省し、言動を変えていく。

⑤子曰わく、質、文に勝てば即ち野なり。文、質に勝てば即ち史なり。文質彬彬として、然る後に君子なり。

「文」は外見、「質」は内面という理解でいいでしょう。
「彬彬」とは、調和していること。

ざっくり言えば、
内面と外見が調和している人が、君子である。立派な人だと。

こうなりたい。こうありたい。

良くも悪くも、人は第一印象見た目で判断する。
なので、外見は良くしておく。

身なり、姿勢、手振り、立居振る舞い、言葉遣い、これを正しくする。
髪ボーボー髭ボーボー半袖短パンサンダル男が、
何言ってんだという感じですが(笑)

外見だけ着飾っても、中身の薄っぺらさは隠せない。
逆に、内面が充実していると、外見も応じてくるのかなと思っています。

行動には、内面が表れる。
動作には、内面が表れる。
言葉には、内面が表れる。

外見も内面もととのえる。
普段の言葉遣い、物に対する扱い方、姿勢、
人に対する接し方、すべてを正す。

それを続ける。自然とできるようになるまで続ける。

特に、心の状態、内面は外見に表れてくる。
良い感じの人だなーとか思いますよね。逆に、なんか嫌だなーも。

内面って自ずと出ちゃう。だから、まず内面を変える。
心を変える。思考を変える。言葉を変える。行動を変える。

そして、すべてが連鎖的に変わっていく。
何かだけじゃ足りない。森を見る。木を見る。すべてを見る。

文質彬彬「中庸」と言ってもいいでしょうか。
内面も外見も見事に調和された状態。
右でも左でもない。光でも闇でもない。

すべてが調和された状態。これが理想かなと。

こうやって書きながら、吾日に吾が身を三省する。

論語とは、なんと味わい深いのでしょうか。

こんな方にオススメです!

・安岡正篤の世界感が好きな方
・渋沢栄一の世界観が好きな方
・論語が好きな方
・論語の理解を深めたい方

読みやすい論語本をご紹介。

ぜひ、論語を読んでみてください。


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