シード・アーリー期のスタートアップで最低限用意しておきたい、入社オンボーディングの話
こんにちは。カジュアル面談プラットフォーム「Meety」で組織開発を担当している五木田(ごきた)です。
先日資金調達を発表したMeetyは、「SNSでMeetyを見ない日はないね」と声をかけてくださる方もいたりと、プロダクトとしての成長の手応えは少しずつ感じ始めています。
一方で組織はこれから整えていくフェーズです。2022年のMeetyは「組織の土台を作る年」。10名程度のシード・アーリー期のスタートアップでの組織づくりや、その過程での試行錯誤をこれから少しずつ記事にしていきたいと思います。
まず最初のテーマは入社オンボーディング。
Meetyでも最近、新しく入る方の受け入れ準備を整えているところです。この記事では、同じくらいのフェーズの会社の起業家や人事の方に向けて、「シード期のスタートアップのオンボーディングはいつから、どんなことをするべきか」をテーマに書いてみます。
「最低限の準備をしよう」というお話なので、オンボーディングの仕組みがすでにある会社さんにとっては新しい発見は少ないかもしれませんが、Meetyの組織的な思想もあわせて書きましたので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
まずはじめに:創業期のスタートアップで、組織関連の取り組みにどのくらい時間を割くか問題
シード・アーリー期のスタートアップは、プロダクト開発や資金調達、採用などなど、喫緊でやらないといけないことがとにかく多いですよね。Meety代表の中村さんを間近で見ていても、これは本当に感じます…!
その中で、「組織づくり」についてどこまで時間を割くべきか迷う方もいるのではないでしょうか。
結論、私としては最低限でよいので、仕組み化できる部分からできるだけ早くやっておくのがいいと考えています。
例えばこの記事のテーマでもある入社オンボーディングは、人数が少ないフェーズだと、創業者が一人ひとり個別に対応できちゃうので、優先度を下げている会社もあるかもしれません。
Meetyでも、私が入社した当時はオンボーディングの仕組みがなかったので、契約締結も、ツールの権限付与も、情報共有も、細かな質問の対応もすべて中村さんが都度対応してくれていました。
ですが、仕組みがあれば創業者の対応負荷を下げられますし、入社したメンバーに自律的かつスピーディに活躍してもらえるので、会社全体としてみると価値が高いと思います。
むしろ規模が小さい時期の方が、「一人ひとりに早く価値発揮をしてもらうこと」が企業成長に与える影響は大きいでしょう。
私が組織開発担当としてMeetyに入社したのは2021年10月で、当時は中村さんも「いまのタイミングで、組織開発のどんなことを依頼できるかイメージがわかない」とおっしゃっていました。が、入ってみたら「やること超あるじゃん!」という状態でした😂 このフェーズでも、組織関連で今のうちにやっておくべきことはたくさんあります。
オンボーディングはいつから、何をする?
では、話を本題の「入社オンボーディング」に戻します。
「まずはじめに」で書いた通り、オンボーディングの仕組みづくりは早めにやっておけるのがベストです。
Meetyがオンボーディングの仕組みを考え始めたのは、メンバーが10名を超えたくらいのタイミングでした。
※現在、役員2名、正社員1名、業務委託9名が所属しています
オンボーディングのアクションとしてできることは無数にありますが、創業期では最低限のドキュメントを用意しておくだけでも十分だと考えています。
私自身も、Meetyはこれから整えていくフェーズという認識だったのでネガティブな感情はなかったものの、「誰がどのように働いているのかがわからない」「必要なツールの権限がなく手間取る」「請求書の送り先がわからない」…といった小さな躓きは多少ありました。こういったものに回答できる情報をストックしておくイメージです。
Meetyでは、「ウェルカムページ」というものを作成し、入社時に必要な情報をすべてまとめてお渡しすることにしました。
このページには、次のような点をすべて入れています。
◆事業について
詳細は後述しますが、Meetyでは「個人の人生の方向性と、会社の方向性が一致しているか」を大切にしています。
ご自身の仕事に納得感を持ってお仕事していただくために、プロダクトの思想や方針をお伝えしています。
◆組織について
Meetyはフルリモートの組織で、働き方や稼働時間もバラバラなため、一人ひとりにメンバーページを書いてもらい、役割や稼働時間、好きなことなどを共有しています。
また、チャットツールやミーティングでのコミュニケーションは、会社によって特性がかなり違うため、いくつかの会社に所属している方などが入社時に戸惑いやすいポイントです。
新しいメンバーが安心して組織に馴染めるように、自社のコミュニケーションの特徴や文化などはドキュメントにしています。
その他
ご請求などの事務的な内容や、Meetyを知ってもらうために読んでいただきたい記事などもまとめて共有しています。
ドキュメントを整理する過程でやったこと
というわけで、私たちの現時点でのアクションは「ウェルカムページ作り」に落ち着いたのですが、そこに着手する前にやった現状の課題とアクション案の洗い出しについても書いておこうと思います。
Googleのオンボーディングに関する記事では、新しいメンバーが入社すると、「準備の壁」「人間関係の壁」「期待値の壁」「学びの壁」「成果の壁」の5つの壁に直面すると紹介されています。
この5つの壁に時間軸をプラスして、課題とアクション案を整理しました。立ち上げ期でまだ課題が見当たらない場合は、「新入メンバーが今後どんな壁に当たりそうか」という観点で考えてみるのもよさそうです。
また、組織のフェーズや状況によって変わると思うので、今回作ったものは定期的に見直して必要に応じたアクションを取っていくつもりでいます。
なお、次の2つの記事も大いに参考にさせていただきました。貴重な情報をありがとうございます!
最終的に作成することになったウェルカムページはオンボーディング施策のひとつに過ぎないですが、ふりかえると、それを整理する過程にも意味があったと思います。このプロセスのなかで、「オンボーディング期間に新メンバーにどんなことを伝えたいか」「特に伝えたい、Meetyが大切にしている考え方はなにか」などを代表や他のメンバーとともに話せたからです。
本筋からは少しそれますが、そのディスカッションから言語化された「Meetyにとってのオンボーディングとは」を次に紹介します。
Meetyにとってのオンボーディングとは
1:個人と会社の方向性をあわせ、一緒に走っていくための助走期間
Meetyでは、「個人の人生の方向性と、会社の方向性が一致しているか」を大切にしています。働く個人の人生においてやりたいことや大切にしたいことを第一に尊重し、その実現に向けた最適な環境を会社が提供できるか?という点を重視して、一人ひとりとの関係性を作っていきたいと考えています。
そのため、会社の方針や思想を丁寧に伝え、個人のやりたいこととのすり合わせをするのがオンボーディングの目的のひとつです。
2:自由に、自律的に働いてもらうための準備期間
Meetyの働き方で大切にしているのが「自律」。一人ひとりのパフォーマンスを最大化させるには、その人のライフスタイルや特性に合った働き方で自律的に動けることが大事です。
不要なストレスなく業務に集中する環境をできるだけ早く作るために、オンボーディング期間では必要な情報にアクセスできる環境づくりや、周囲のメンバーとの関係性づくりにも取り組みます。
以上2つの観点を大切にし、
といった点を目指すために、ウェルカムページにMeetyの思いや情報などを集約させました。
おわりに
以上が、現時点でMeetyが用意しているオンボーディングのお話でした。
冒頭でも書いた通り、最低限の準備をしただけですが、逆にいうとMeetyのこのフェーズではここまでで十分だと思っています。また、このプロジェクトを通じて私自身もMeetyの思想への理解や共感を深められたので、一連のプロセスの大切さもお伝えできればと思い、記事にしてみました。
それから、今回の記事では「シード・アーリー期のスタートアップ」とざっくりくくってしまいましたが、私もまだMeetyという慣れない環境のなかで絶賛試行錯誤中ですし、組織の状態や目指す方向性によっても様々だと思います。この辺りはぜひ、同じくらいのフェーズでやられている方とたくさんお話してみたいです!
最後にMeetyを貼っておくので、よければお話しましょう!
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