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「ベイビー・ブローカー」ペ・ドゥナ映画にハズレ無しって本当!?

いま「生まれてきてくれてありがとう」というテーマの映画を…

gokigendane511は赤ちゃんや病気や障害の子どもや子育て支援系の仕事をしていることもあり、誰でもこの世に生まれ落ちた子どもは、社会の中で人と人の関わりの中で育てることが大切と考えていて、小さなことですが仲間とともに活動し続けています。

コロナの時代になってますます子育てが個別化、困難を抱えた子どもや家庭が社会から隔離されているし、今まで築いてきたものが後退、もしくはマイナスになってきていると常々感じているところに、是枝監督が韓国でしかも「生まれてきてくれてありがとう」がテーマの映画を撮っている。そのこと自体に胸が熱くなりました。

「そして母になる」

さて、ペ・ドゥナは今まで様々な役を演じてきた中、お母さん役はとても少ないです。

「頑張れグムスン」、「トンネル」、「チャンオクの手紙」ぐらいでしょうか?でもいずれもお母さんであることはテーマではなかった。

むしろ、「私の少女」や「静かなる海」はある意味、お母さんじゃないのに母性を感じさせる役でした。役柄がお母さんだったのではないが、彼女の中の母性(人間性?)が溢れて反映されていて、そこが物語をさらに面白くした、というか。(「私の少女」は純粋に母性なのか?難しいところですね)

 ペ・ドゥナに次はどんな役を演じて欲しいのか?と時々考えるのですが、以前「普通のお母さん」が見たいと思ったことがありました。一方で、普通のお母さんって何?誰のこと?普通のお母さんって今いないよな?と自分でも可笑しくなってしまうのです。ましてやペドゥナが演じるなら、それは役割としてのお母さんではなく、ある人間でそれがたまたま誰かにとってのお母さん、なんだろなと思い直した。

スジン役はまさにペドゥナが演じるに演じがいのあるお母さんではないか! 子どもを産まないことを選んだ、でも事件や人との出会いによって悩み、考え方が変わりお母さんになる道を選んだ。しかも自分だけが母親になるのでさなく、ソヨンが母になることができる道筋を残した。いわば社会的な母。

これは是枝監督からの最高のプレゼントですよね。 「ベイビー・ブローカー」を見て、私もたくさんの感想があるんだけど、取り急ぎ、この「そして母になる」映画は、ペ・ドゥナにとってとても演じがいのある役だったのではないか?是枝監督にとって、今のペドゥナに演じさせたい役だったことでしょう。

電話のシーンはさすが。グミ食べながら考えているシーンや車の窓に付いた花びらを手繰り寄せれシーン、取れたボタンの話も良かったですね。スジンが抱いたとたんに赤ちゃんがあくび。これは思わず笑ってしまいました。
実はベタですが、海で遊ぶシーンが一番好きでした。一番幸福な場面だったからです。それは「私の少女」にも「静かなる海」にもなかったものですから。

次は韓国で何を選ぶんだろうなぁ?

「ベイビー・ブローカー」関連でいろいろなインタビュー記事を読みましたが、ペ・ドゥナは役を選ぶ場合、海外よりもむしろ韓国でどんな作品、役を選ぶかが難しいと言っていました。

ペ・ドゥナは世界を見てきた、世界で仕事をしてきた人で、映画やドラマだけでなくファッションの仕事もしてきた人です。そんな広い視野を持って戦ってきた人が、韓国に帰って仕事をするのってとても大変だろうと想像するのです。どうやって意見をすり合わせたり、どこに目標を定めるのか、など、苦労するだろうし、求められているものもプレッシャーも大きいのではないかな?そこをどんなふうに折り合いをつけているのでしょう?

ハリウッドから帰ってきたら、次は何を選ぶんだろうなぁ?
じわじわと楽しみにしておりまする~

さて、gokigendane511のnoteは上半期「ベイビー・ブローカー」一色になってしまいましたが、実はそんなつもりじゃなかった(笑)ペ・ドゥナ以外の映画やドラマもたくさん見ているのにアウトプットが上手く出来なくて。

「ベイビー・ブローカー」期待以上に素晴らしかったので、ペ・ドゥナ的に嬉しくて仕方ないです。もう一回は映画館へ行くと思いますが、とりあえずホッとしました(笑)



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