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ペ・ドゥナのインタビュー記事~「静かなる海」作品に満足している

珍しく日本語訳のペ・ドゥナの「静かなる海」に関するインタビュー記事。昨日読んで、私もちょっと嬉しかった。

Q.一番うれしかった評価は何ですか?
(ペ・ドゥナ)SFですが、技術力や科学的な部分よりも、人の心理を追いながら没入させることに魅力を感じました。賢く作品を作ったと思いました。

外国でSF映画に出演したこともありましたが、予算がものすごいことを感じ、それを具現化することを経験しました。韓国ではSFについてこれまで可能なのだろうかとたくさん考えたことがありました。

チェ・ハンヨン監督の短編を見て、「なんだかこの人ならできると思う」という気がしました。その作品の中で私ができることがあるようだと思いました。

私のこういった気持ち、私が作品を選んだ時そのままを表した評価が一つありました。監督の心理描写について書いてくださった評価が最も印象深かったです。

私は完成した作品に満足しています。
もちろん残念な部分がないわけではありません。すべての俳優たちと制作陣は「私の作品がこれより上手く出来るはずはない」という風には考えません。物足りなさがあるシーンもありますが、私たちが持っていた限られた時間と条件の中で、みんなが汗を流して最善の作品を作り出したという満足感があります。

出典 Kstyle

わたしもnoteに感想を書きましたが、「SFなのに人間の感情のドラマ前面押しになっているところがよかった」って、

彼女も嬉しい評価として捉えていたんですね。
よし、だいぶ理解できるようになってきた私。www

作品の中で私ができることがあるようだと思いました

出典 Kstyle

これがペドゥナの作品選びの基本的な考え方のようですね。そして真面目でよく考える賢い人ですよね。
インタビューはいつもこんな感じ。

モデルの仕事や体を使い演じることを得意とするタイプで、直感的な感性を持つ女優にしてはよく語る人だなぁ。

私たちが持っていた限られた時間と条件の中で、みんなが汗を流して最善の作品を作り出したという満足感があります

出典 Kstyle

女優である前に「働く女性」的な人なのかもしれません。

ペ・ドゥナの仕事を見た後は、ほぼ毎回「私も仕事を頑張ろう」と思うんですよね。

Q.直接体験せずに想像で演じなければならない部分が多かったと思います。大変な点はどこでしたか?
(ペ・ドゥナ)2010年、2011年「クラウド アトラス」という作品を撮る時、一番大変な部分がそれだったんです。緑色のスクリーンの前で想像力で演じることです。

1999年にデビューし、2010年まではリアリティ、日常に近い演技を主に学んでたくさんやってきましたが、その時から海外作品、SFをやりながら「こうやって想像力を必要とするんだ。私が描かなければならないんだ」という部分が訓練されました。

今作は大変ではなく、むしろ多くの部分が具現されていました。
たくさんのことが渤海基地の内部で起きて、CGがむしろほとんどなかったんです。比較的演技はしやすかったです。

今作で大変だったのは心です。
私が感情線で視聴者を没入させするキャラクターだったので、それを逃すと終わりというプレッシャーがありました。

ひきこもりのようなキャラクターなのに、宇宙船に乗って彼女の視線で話を進めなければなりませんが、それを繊細に持っていかなければならない、そしてみんなが理解できるようにしなければならないという強迫観念がありました。

出典 Kstyle

ペ・ドゥナは、同年代の人が経験するよりはるかに大きな経験と「私が描かなければならないんだ」という重い責任、強迫観念を課せられて生きてきた人です。

「クラウド・アトラス」では本当に苦労したんですね。

そのあと世界中で撮影した「センス8」も大変だったと思いますが、それらの経験を経て、「軽くなった」という感覚は分かる気がしました。

人は困難に直面して苦しんで乗り越えられたら、次の機会には意外と軽く乗り越えられる余裕が出てくるものです。


唐突に自分の話ですが、
わたしはこの春、数年前から取り組んでいる新しい立上げの仕事を控えていています。それなりに大変な仕事の日々。現場での大きな仕事は年齢的に最後かもしれません。

私も、今のタイミングだからそう思えるのか?

大好きな「秘密の森」のヨジンが「有能さからくる余裕と温かさを持つキャラクター」であることが、実感としてよくわかる。

「このチームの中で私が一番よく発揮できる仕事はなに?」と考えるように成長できて来たら、自分でも嬉しいものです。

Q.人類が苦難に直面した状況で解決策を出し、希望を提示するのはすべて女性でした。キム・ソニョンさん、キム・シアさんとの共演はどうでしたか?

(ペ・ドゥナ)私が「ああ、私たち3人だけが残ったね」と感じたのは最後のシーンを撮った時でした。「女性だけが残ったんだ」ということを最初は悟らず、「なぜみんな行ってしまったの?」と寂しく撮りました。

撮ってみて、「ジアンがそんなに理性的なのか?」という考えはあります。個人的な思いもあったので意図自体が理性的ではなかったようですが(笑)。
キム・ソニョン先輩は本当に最高です、とても驚きました。
本当の良いパートナーに会えば感じるのですが、リハーサルやランスルーで、完璧にそのシーンを生、してくれるんです。

私はそれができないキャラクターでしたが、とても素敵だと思ってたくさん頼りました。本当にジアンとホンダク(キム・ソニョンの役)のようでした。2人の女性が連帯しました。

シアは愛そのものです。完璧なプロで、大人10人よりもさらに大人でした。尊敬しています。

出典 Kstyle

ジアンとホンダクのコンビがよかった。
24時間以内にミッションを果たす信頼感でつながっている2人のべたべたしていない関係が心地よかった。

キム・ソニョン、今まで数々見たおばちゃん役のべたべた感もいいのですが、今回はさらっとしていて、不思議な人でした。PR動画もほぼ全部見ていますが(笑)、面白くて優しい人なんだ~と思いました。

「たくさん頼りました」といえる女性の先輩がいてくれたのも、プレッシャー大であったろうペ・ドゥナにとって良かったですね。

最近の作品では、「秘密の森2」のチェ・ビッ(チョン・ヘジン)ぐらいでしょうか?先輩に甘えられるの。
チェ・ビッ尊敬していて甘えるヨジンは可愛かったです。

女性だけが残った、というのは驚きましたが不思議ではない。全体的には弱くても、細部に宿る強さと優しさと「つながり力」は女性ならでは。どんな仕事でもそうです。

声高なフェミニズムではなく、結果的にさりげなく女性だけを残したところ、面白いです。

ルナ役のシアちゃん。「虐待の証明」「キングダム アシンの物語」など、結構ハードな役をこなしていました。大丈夫なの~と心配しますが…ただただ、たくましいです。

ルナ役のシアちゃんのお魚メイク、きれいでした


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