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宅建士試験合格講座 不動産登記法 > 区分建物の登記

第4節 区分建物の登記

■ 1 区分建物の登記

(1) 区分建物
 区分建物は、一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所または倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、区分所有法に規定する専有部分をいいます。
 区分建物は、法律上1つの建物とされ、区分建物ごとに登記記録が作成されます(規約共用部分も含む)。例えば、マンションの101号室につき1つの登記記録が、201号室につき1つの登記記録が作られることになります。

(2) 区分建物の登記記録の構成
 区分建物は、通常の建物と異なり、外から見ると1つの建物の中に、区分建物(各専有部分)が存在するため、区分建物の登記記録の表題部には、①1棟の建物全体の表題部と②区分建物(各専有部分)の表題部が設けられます。


■ 2 区分建物の表示に関する登記

(1) 区分建物についての建物の表題登記の申請方法
 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならないが、区分建物が属する1棟の建物が新築された場合におけるその区分建物についての表題登記の申請は、その新築された1棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければなりません。つまり、分譲マンションが新築された場合は、最初に所有者になった者(分譲業者など)が、すべての専有部分の表題登記をまとめて申請しなければならないということです。

(2) 区分建物の床面積
 区分建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積によります(内法面積)。それに対して、区分建物が属する1棟の建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によります(壁芯面積)。

(3) 規約共用部分の登記
 区分所有法は、規約共用部分については、その旨の登記をしなければ、第三者に対抗することができないと定めます。この規約共用部分である旨の登記は、その区分建物(専有部分)の登記記録の表題部に行われます。


■ 3 区分建物の所有権保存の登記

 区分建物にあっては、表題部所有者(原始取得者)から所有権を取得した者も、所有権保存の登記を申請することができます。この場合、登記原因証明情報を提供しなければなりません。この場合において、その建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければなりません。



■ 4 敷地権の登記

(1) 敷地権
 
敷地権は、区分所有法に規定する敷地利用権(登記されたものに限る)であって、区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないものです。
 敷地利用権となりうるのは、「所有権」「地上権」「賃借権」「使用借権」であるが、敷地権は登記されたものに限られるので、敷地権となりうるのは、このうち「所有権」「地上権」「賃借権」です。 

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