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宅建士試験合格講座 債権総論 > 債権の発生

債権とは「特定の人に一定の行為を請求する権利」です。ここではこの債権について学習します。

第1節 債権の発生

■ 1 債権の発生原因

債権の発生原因は「契約」「不法行為」「不当利得」「事務管理」の4種類があります。
 
(1) 契約
 契約が有効に成立すると、債権者は債務者に対して、契約で合意された内容の履行を請求することができます。
 
[事例]
A所有の土地建物につき、AB間で売買契約が成立した。この場合、売主Aは買主Bに対して代金の支払いを請求することができ、買主Bは売主Aに対して土地建物の引渡しを請求することができる。

(2) 不法行為
 故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。
 
[事例]
BがA所有の建物に放火したため、建物が全焼してしまった。この場合、被害者Aは加害者Bに対して、損害賠償を請求することができる。


(3) 不当利得
 法律上の原因なく他人の財産または労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(受益者)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負います。
 
[事例]
A所有の土地建物につき、AC間で売買契約が成立したが、Aは誤って買主ではないBに土地建物を引き渡してしまった。この場合、損失者Aは受益者Bに対して、不当利得(土地建物)の返還を請求することができる。


(4) 事務管理
 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(管理者)は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができます。
 
[事例]
Bは、隣人Aの留守中に台風が接近して、A所有の建物の屋根の一部が壊れていたため、Aからの依頼なくその屋根を修理した。この場合、管理者Bは本人Aに対して、屋根の修理に要した費用の償還を請求することができる。


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