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外を眺めて聴きたくなる音楽のはなし

ゴイステを聴きながらこの記事を書いています。

私は学生時代、音楽が大好きでした。
ジャンルはバンドを中心に、洋楽はHIPHOPもR&Bも。流行に乗ってヘビメタからヴィジュアル系まで聴いていた。

大好きなDJのミックスしたCDを買いにマンハッタンレコードに行っては、帰り道の電車でワクワク聴きながら帰ったり、
フラゲしたCDを手にしては、少しの優越感に浸って(誰でもフラゲできるのにね)歌詞カードを眺めて歌詞の意味を考えたり。

青春時代、いつも隣には音楽があった気がする。
ライブにも沢山行った。

そんな私ですが、最近、
「どんな音楽を聴くの?」「好きなアーティストとかいるの?」
という質問に即答できなくなっていることに気づいた。
なんか、淋しくなった。
そしてふと思った。
サブスクが主流になって、良い曲に出会っても、曲名も歌詞の意味も、あまり意識せず、ネットサーフィン片手に聞き流してしまっていることが多いなぁ…と。

思えばあんなに大好きだった映画も、音楽も、映画館やライブで体感するということをしなくなってしまったな。
自分の生活や時代の変化もあって、仕方がないことなのかもしれないけど、音楽や芸術に触れ、人生のインスピレーションにするような、そんな大人になりたかったのに…
切ない…

そんなとき、ふと銀杏BOYZやゴイステを聴きました。
そこには、私の青春がありました。
一音たりとも聞き逃すまい。と、手を止めて、全神経を耳に集中させる。ストレートに刺さる歌詞に圧倒されて、共感する。「ここの音が聴きたいんだよね」と何度も同じ曲を聴き返していたあの頃。
電車の中でスマホを触らずに窓の外をぼーっと眺め、音楽に集中するその時間はまさに青春。こんな感覚、いつぶりだろう。

手を伸ばせば、自分のほしいものが手に入る時代に生きながら、どこか淋しいなと思っていた。
長らく満たされなかった「何かが足りない…」を峯田和伸が久しぶりに満たしてくれた気がして嬉しかった。そして心が温かくなった。

「スマホもなかったあの頃の自分は、作品ともっと真摯に向き合っていた気がするなぁ」「CDを買って曲を聴く感覚っていいよね」なんて、物思いに耽っていた。
そんな私が聴いているのはサブスクの王道Spotifyなんだけどね!!

「あの頃は~」っていう大人にはなりたくない。って思っていたのに、気づけば片足つっ込んでるようです。
自分が若いころ、この言葉を言われるたびに「今より昔の方がよかったってこと?」と怪訝な顔で聞いていたけど、違うのね。
この言葉を口にする大人たちは、眩しかった青春に思いを馳せているだけなのね。そう理解できるようになってしまった自分も、気づかぬうちに年を重ねてしまったな。とまた切なくなった。

いまだにSNSも苦手だけど、デジタルでできることが増えたことで、こうして甘酸っぱい青春に一瞬にしてタイムスリップすることができた。

これからもたまにこうして、タイムスリップをして、電車の中から外を眺めて音楽に没頭してみよう。
そして…今年は重い腰をあげて、ライブにも行こうかな。
いやぁ、音楽ってやっぱり素敵。


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