ほんとにそう思う。
いくつになってもどんなポジションになっても、褒められると嬉しい。認められると嬉しい。感謝されると嬉しい。称賛されると嬉しい。ポジティブフィードバックはとにかく嬉しい。
逆にそれがないと、忙しさと比例するように、心は摩耗する。
「辞めるのは会社ではなく、上司から離れていく」
そんな言葉もあるようだ。
確かに、誰よりも何よりも上司からのフィードバックがほしい。どんなに優秀な人であっても、上司からのフィードバックがないことに悩んだり、落ち込んだり、仕事に集中できなかったりするらしい。
そらそうだ。僕もそうだ。
反対に上司からのポジティブフィードバックは、やる気の源泉になる。
そらそうだ、僕もそうだ。
ここまでの話は誰しもが想像できる当たり前のこと。なぜなら自分がそうされたら嬉しいと知っているし、そうされないことで日々悩み苦しんでいるのだから。でも、なぜか人にしてあげることができていない。
こんなポジティブフィードバックは、意図あるスキルである。そして今日からやってみよう。そんな気づきと決意を与えてくれる本と出会った。
チームワーク向上を目的に1on1とか心理的安全性とかコーチングを学ぼうと思っているマネージャーの方。パフォーマンス低下中の部下に厳しい評価をするにあたり参考になればとフィードバックを調べているマネージャーの方。
そんな方も、そうじゃない方も。とにもかくにも、すべてのマネージャーが土台として身につけるべきこと。そして一生忘れないでおくべきこと。つまりは全マネジメントノウハウの根底にあるもの。それが、このポジティブフィードバック(スキル)だと思う。
ポジティブなフィードバックをくれないやつのネガティブフィードバックなんて聞き入れません。そんなやつとの1on1なんぞ盛り上がらないのは当たり前です。
特にミレニアル世代(1980~1995年生まれ)は、(SNS等オンラインで)瞬時に反応が確認でき、満足感を得ることに慣れているので、無意識のうちに職場でも高い頻度のフィードバックを求めている、らしいです。ミレニアル世代がそうであれば、その次の世代であるZ世代はもっと、でしょうね。
ミレニアル世代、およびこれからでいうとZ世代をマネジメントする立場のマネージャーは、ここで差がつきます。知っているとやっているは大違い。そこで差がつきます。
前向きな姿勢で仕事に取り組んでくれていそうな時、不満や愚痴を言ってこない時、つい油断してポジティブフィードバックがおざなりになりがちです。またマネージャー自身が成果に焦っていたり、うまくいっていない時は、課題ばかりに目がむき、これまたポジティブフィードバックがおざなりになりがちです。
ここに足元をすくわれるリスクがあります。いつのまにか取り返しがつかないくらいやる気が落ちていたり、チームワークが悪くなっていたり、上司-部下の信頼関係が毀損していたり、退職を考えていたり。
僕もありました。高い目標を達成するために「もっともっと」と発破をかけ続けていると、いつのまにか全員が疲弊気味に、新しいことを考えたり工夫を施したりする元気や自走力が弱まり、僕からの指示をなんとかこなすメンタリティに陥りはじめていたのです。
走り続ける、もっと早く走ることに、発破をかけること自体は良いのですが、そもそも走り続けていること、ここまで走ってきたことを、当たり前だとは思わず、有り難いことだと思い、日々ポジティブなフィードバックが必要だったのだと思います。
自分が上司に対してよく思うこととおんなじことを、自分の部下にも敷いていた、いつのまにやら。
本書を読むことでふと立ち止まって、そんなことに気づくことができました。
幸い、僕のチームはひどくなる前で、「最近みんなの反応が鈍くなってきたかも?顔が疲れてきたかも?」と思ったくらいの矢先だったので、大事にはいたらなかったと思います。
日々、目はかけてますし、工数マネジメントもしっかりする。ミッションも明確にしている、そのミッションは本人たちの成長やWILLに紐づけたりもしている。毎週1on1を実施、業務に迷わないようサポートもしている。
そう、僕はマネジメントは真面目にしっかりやっている口です。周りの評価もそう。360度評価も高いです(どこまでいっても自分でそう思っているだけ、評価も忖度入るのでほんとのところはわかりません)
それでもなお、日々のポジティブフィードバックをおざなりにすることが数ヶ月~半年続くと、精神は蝕まれ始めているのです。怖い。ほんとに怖い。
僕がいま所属している会社にはフィードバックを促す仕組みがあります。しかし、マネージャーによってメンバーによって、この仕組み上でのフィードバックの投稿量にはばらつきがあります。
1週間に1回は、絶対に全配下メンバーに対してポジティブフィードバックをこの仕組み内で送る。僕はそう決めました。1週間もあれば絶対にどの人にもフィードバックできることは発生します。承認されすぎることに慣れなどありません。だからこそやろうと、決めました。
正直難しいことです。決意してから4ヶ月くらいたちましたができない週もあります。特にパフォーマンス低下中のメンバーは褒めたくないと思うこともある。そもそも忙しい。自分が褒められないのに面白くないと思うこともある。自分のモチベーションくらい自分で管理しろよとメンバーに対して思ってしまうこともある。
それでもなお、それでもなお、ポジティブフィードバックの破壊力を信じて、やり続けようと思う。
勘違いしないでください。ポジティブフィードバックを意図的に続けることは難しいことではありますが、嫌なことではないです。褒められた時は嬉しいですが、それと同じくらい人を褒めた時は、嬉しい気持ちになります。
嫌なことじゃないんだから、やり続けようと思う。
自分に課したいことはもう2つ。
毎週1on1をやってますが、1on1の中でも、直接ポジティブフィードバックを1回は入れること。
2つ目は毎週進捗報告MTGをやっています。(高い目標の中、進捗を報告・対策を議論する場なので)指摘コメントがどうしても多くはなりますが、ポジティブフィードバックコメントを必ずテキストで1つ以上は残す。
フィードバックカルチャーが根付いているチームとか組織っていいですよね。まずは隗より始めよ。自分がフィードバックというGIVEをし続けることで、恩送りのようにフィードバックがチームや組織に浸透していくことを信じてやってみようと思います。
そんなメンタリティとフィードバックの仕組みを会社で作ること。多少無理やりでも最初はフィードバック目標を作ってでも回す。
メンタリティをを統一した上で、最初の1歩は強制的に。こんなことからカルチャー醸成ははじまっていくのかなと。
今僕のいる組織は、強制的な仕組みを走らせていますがフィードバック文化はなかなか根付かない。メンタリティの方が弱いのかなと感じてます。ここをどうしていこうか、答えはまだないが、頑張りたい。
とにもかくにも隗より始めよ。コントロールできるのは自分だけ。別に綺麗事をいっているわけではない。マネージャーとして成果を出すためにはこれがひとつの近道だと信じている。
ここからは本書の内容を備忘録的にまとめておきます。
まずはポジティブフィードバックの本書内の定義。
ポジティブフィードバックの効果は5つあります
なるほど。フィードバックがすばらしいことはわかったし、やってみたいと思うが、何をフィードバックしたらいいかわからない、結果を出していない、結果を出すために走っている途中のメンバーに言うことがない、難しい。そんなことを思ったあなた。
承認するのは「結果」だけではないんです。承認には4つあります。
効果をあげる5つのポイントもあります
気負うことなく、息を吸うようにポジティブフィードバックせえということです。最初は訓練です。その内、習慣になる。習慣まで昇華したら無敵のスキルの1つになりますよね、きっと。
最後に7つのコツを意識しましょう