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デザイナーオンボーディング担当したら、たい焼き会開催された

こんにちは。タクシーアプリ『GO』の法人向けサービス『GO BUSINESS』のプロダクトデザイナーを担当しているYamaです。

『GO BUSINESS』のプロダクトデザイナーに新メンバーが入社した際、オンボーディングの担当をしましたので、その際のナレッジの一部を書き留めておこうと思います。

実はこれまで事業が急成長で、プロダクト開発だけで手一杯の状態、受け入れ体制の準備が進んでおらず、さらにリモート中心の開発体制が定着したこともあり、新メンバーにはキャッチアップとコミュニケーションハードルが非常に高い状態でした。

この記事を通して、オンボーディングを担当した振り返りと共に継続してブラッシュアップできるように、またオンボーディングに関して悩んでいる方へ少しでもヒントになれたらと思います。

※ここでのオンボーディング内容は中途採用前提であり、新卒採用のオンボーディングではないのであらかじめご了承ください。

はじめの準備

期間とゴール設定

まずはオンボーディングの期間とゴールを設定しました。

だらだらとオンボーディング期間が長引いてしまうことは避けたかったのと、明確にここまでに何をするかを受け入れる側も受ける側も把握することで、スケジュールを立てやすくするためです。

最初の1ヶ月内で、会社のカルチャー、ミッション、勤怠や経費申請などの会社生活に必要なことを把握してもらい(こちらは人事部が入社時に対応)、その後、デザイン部の組織体制や、使用するツールのセットアップなどの環境構築、担当してもらうプロダクトの組織体制やサービス概要の理解などを組み込みました。

2ヶ月後からは実際に担当するプロダクトで手を動かしてもらいならが仕様把握をし、3ヶ月目には簡単なプロジェクトに取り組めることを目標にし、試用期間が終わる3ヶ月後には、ある程度一人でコミュニケーションをはかり仕事をしてもらえることを目指しました。

期間とゴール設定

心理的負担軽減のために

弊社はフルリモート中心の働き方となっています。

特に開発メンバーのほとんどが出社していることが少ないため、どうしても環境要因的にコミュニケーション不足になってしまい、新メンバーにとっては心理的負担が高い状態になることがあります。

そのため特にプロジェクトを一緒に進めるメンバーとは、最初のコミュニケーションハードルを低くしておきたいと考えました。

具体的には以下の内容をオンボーディングのタスクとして取り込みました。

  1. 最初の3日間は出社して対面でのオンボーディング

  2. デザイン部の対面&オンラインハイブリットのウェルカムランチの開催

  3. 担当プロジェクトでコミュニケーションを多くはかるメンバーと、自己紹介をかねた1on1をセッティング

1つ目、入社初日はほぼ人事が行うオンボーディングのため、実質デザイナーと対面で話すことは2日間以降になります。オフィスの利用や環境面を知ってもらい、最初の自己紹介と顔を知ってもらうことになります。他のメンバーもフルリモートが多くなかなか対面で会う機会がないので、この期間になるべく会うようにセッティングしています。

2つ目のウェルカムランチとは、入社1週間以内であればオンライン、オフライン問わず一人1,000円のランチ代補助が出る会社の取り組みです。デリバリーのお弁当を手配し、オンライン会議を繋ぎながら、オンライン&オフラインのハイブリットで食事を楽しみながら自己紹介を行いました。

3つ目の自己紹介1on1は、積極的な方だと自発的に行う人もいるのですが、特に入社間もないと尻込みしてしまう人も多いので、オンボーディングのタスクとして最初から取り込むことにしました。
できるだけ仕事のことよりもお互いの人を知ってもらうこと、雑談に近い形でのコミュニケーションをとってもらうことをお願いしました。

結果的に3つ目が一番タスクとして取り込んで良かったと思うことで、担当してもらうプロジェクトのメンバーが甘党という共通点を発見し、たい焼きを買って皆で会社の休憩スペースで団らんするという「たい焼き会」まで発展しました。

すぐにたい焼き会を開催するという新メンバー本人の行動力もあると思いますが、自己紹介1on1をタスクとして設定したことによって共通点を見つけてもらったため、早い段階で新メンバーとプロジェクトメンバーの双方の心理的ハードルが格段に下がり、その後のプロジェクトを進める上でも効果が高かかったと感じています。

たい焼き会の様子

オンボーディングタスクを見える化

期間とゴールを決めた後は、逆算して詳細なタスクをAsanaを使って作成していきました。

Asanaを使ったのは、これまでもプロジェクト管理に利用していたのと、PdM(プロダクトマネージャー)でもオンボーディングタスクをAsanaで管理していた事例があったため、お知恵を拝借させてもらい、デザイナー向けにカスタマイズしました。

タスク化していくことで、アカウントの作成や権限付与など、受け入れ側で準備しなくてはならないことも結構あることが明確になり、弊社で扱っている事業が前提知識や用語がわからないと難しい部分もあるため、説明する際の順番整理としても使いやすかったです。

また、オンボーディングしながらも通常業務が発生しているので、付きっきりで教えるのは難しく、自己完結できるタスクを積み、目安の期日も入れる事によって双方にとっても進捗状況を把握しやすいメリットがありました。

ただ資料を眺めるだけのタスクだけだと眠くなってしまうので、手を動かして理解してもらうような実践タスクを所々に入れるようにも心掛けました。

タスク化で見える化(一部抜粋)

プロダクト理解のためにやってもらったこと

とにかく使ってみるのが早い

プロダクトデザイナーとしてプロダクト仕様の理解は大前提な上で、実際に自分がそのプロダクトを使うことで顧客体験を実感してもらうことが、その後の改善提案にも活きてくると思います。

担当してもらうプロダクトは、開発環境も揃っており、また弊社利用の本番環境もあったため、実際にプロダクトに触ってもらいながら、利用者として一連の流れや機能を理解してもらうようにしました。

リリース済みバージョンのFigmaを作成

担当プロダクトのデザインファイルはFigmaを使用しています。
プロジェクトのファイルは以下のように別れています。

  • Dev Master:開発中のプロジェクト

    • dev_master:開発のマスターファイル

    • Styles:デザインスタイルが定義されたライブラリファイル

  • Released:リリース済みのプロジェクト

    • released_v.XX.XX.X:リリース済みファイル

『GO BUSINESS』のFigma

リリース済みのファイル保存は、ある程度大きな機能追加が行われた時に行っています。

基本的にはdev_masterをコピーして作成するのですが、細かな改善案件や、開発進捗状況、事業判断からリリースの入れ替えが発生するため、綺麗にコピーするだけでリリース済みファイルを作成することは難しくなります。

そのため、コピーしてから本当に本番環境の状態とあってるか差分を見ながら精査して、そのバージョンでのリリース済みファイルを残しています。
この更新をオンボーディングの実践タスクとして取り入れました。

更新作業が間に合っていなかったというのも一つの理由としてありますが、一つ一つの機能を見る作業が発生するので、プロダクトとUIの詳細な理解が進み、実際に手を動かして作業するのでファイルを作り終えた時に達成感も味わえるのが副次効果としてあるように思います。

オンボーディングを終えて、週一の定例Sync会を継続実施

補えないデザインの背景やプロダクト理解のフォロー

予定通り無事にオンボーディングタスクは完了しましたが、3ヶ月後の目標は「一人で他メンバーとコミュニケーションを図りながらプロジェクトでのデザイン業務を進められるようになる」としていたので、それ以降業務にあたるには、まだまだ知識が不足している状態です。

また、事業が成長段階であるためプロダクトも新しい機能もあれば改善系のタスクも日々更新されていきます。そのため1週間に一度1時間ほどオンラインではありますが、顔を合わせて、なぜこのデザインに至ってるかなどの過去の経緯や当時の思想、事業背景なども合わせて話したり、現在の進捗状態や困っていることなどを相談できるSync会を設けました。

このプロダクトに関わっているデザイナーが2人だけというのもあり、仕事とは関係ない雑談なども交えつつ開催しているので、本当に軽微な気軽な相談から、ワークフローの困りごと、デザインの詳細部分のレビュー、ナレッジの共有、これからのプロダクトの方向性をどうしていくのが良さそうかなど壁打ちできる状態を目指しました。

定例でスケジュールに入れているため、もしデザイナー以外でもデザインの相談をしたいメンバーがいた場合、随時このMTGに招待して相談できる場としても活用しています。

まとめ

会社によってオンボーディングの仕方は様々ですが、以下に関してはデザイナー以外の他の職種でも活用できる部分かと思いました。

  • オンボーディングの目標とゴール設定

  • 受ける側、受け入れ側の両方のタスクの明確化と順番整理

  • 自己紹介1on1で心理的負担のハードルを下げる

  • オンボーディングを終えてからも継続的に話せる場を作る

働き方が多様になりオンラインでのオンボーディングも普通になっているかと思います。
少しでもこちらのナレッジが参考になれば幸いです。


最後に、GO株式会社ではデザイナーとして一緒に働く仲間を募集中です。

すでに出来上がっているサービスに見えるかもしれませんが、まだまだ進化途中のサービスです。『GO』以外にも様々な事業があり「移動で人を幸せに。」を実現していくためにもまだまだ人が足りていません。

ご興味のある方は採用ページも見ていただけると嬉しいです。

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