見出し画像

古文と漢文は必修科目であるべきか

twitterでとある著名人がこのことについて呟いていたので、記事にしてみます。

私は古文と漢文は必修科目でなくてもよいと思っています。

まず、古文漢文を含んだ「国語」という科目において、文章を読むという能力は特に必要です。当然ながら実社会において無くてはならない力です。

日本語の書き方、読み方、単語品詞等の意味、使い方は現代文において学ぶことが出来ます。

文章を読む時には読解力、登場人物の気持ちの読み取り、作者の意図等を「読み取る力」が鍛えられます。

古文漢文においても同じような要素を「読み取る」という意味では現代文と同じですが、「和訳」という前提条件が必要になってきます。

古文漢文で使われている当時の言語が、英語のように現在も世界の何処かで使われているなら古文漢文を和訳するメリットはありますが、なんにせよ過去の言葉です。社会人の実生活において役に立つことはありません。

日本人としての「教養」という意味では身に付けないよりかは身に付けた方が良いだろうと思いますが、現代ではそれよりも子供の内から学ぶべきことが沢山あるのではないでしょうか。

また、漢文は中国で書かれた文章です。これが「日本人として」の教養に当たるかどうかと言えば些か疑問です。では他の国の文章では駄目なの?という話にもなってきます。

私は学生の頃、古文漢文の授業を受けていた時に先生から

「現代文と違って奥が深いから、面白い」

とよく言われていました。
その時は何の疑問も持たずに勉強していました。テストの点数の方が大事なので。

ただ、なぜ奥が深いかの理由として聞く内容を挙げると

*古文漢文は、当時の時代の価値観や文化、時代背景が見えてくる

と言われます。

例えば、平安時代の貴族が書いた文章は恋愛モノとか当時の遊びや考え方なんかが読むと伝わってきますが、編纂、和訳して現代文として読ませた方が手っ取り早くない?と思います。また社会科目である歴史と被ってますので、そっちで教えたらいいんじゃないでしょうか。

別に古文漢文を学ぶことが悪いとは思っていません。勿論、大人の教養として学んだ方が良い分野だと思います。ただ、数ある科目の中からわざわざ必修独立科目として採用すべきでしょうか。「学びたい人だけが学ぶ分野」で良いのではないでしょうか。

それより、「社会」科目をより幅広く、必修科目として教えるべきだと思います。

最優先は「お金」の話。

ライフプランニングとして関わってくるお金の授業をすべきです。サラリーマンと自営業によってかかる税金の違い、キャッシング、連帯保証人、金利、一般的な金銭感覚、投資、資産形成…要するに悪い人に騙されずに社会人として自活する為必要な「お金」の知識です。

それが現状では、新卒一年目で働いていればどんな人でも必ず貰える給与明細を見ても総支給から何故これだけ引かれているか分からない状況です。

それを学校では全く教えていないのは、冷静に考えるとおかしいですよね。

歴史については、わざわざ縄文時代から教える必要はないと思います。

そこからスタートして近現代史までいった頃には既に学期末で殆ど授業の時間が割かれない…といった状況が多いのではないでしょうか。

実用的な意味で最も重要なのは、近現代史です。今の日本社会の基軸は明治維新の頃より作られたものであり、本来は現代史に一番授業時間を使い試験にも多く出すべきだと思います。

ただ、歴史は時代が進む毎に社会がどんどん複雑化していくので、急に現代史から教えるのは理解しにくいかもしれません。なので江戸時代より前は簡略化して大まかな流れだけ押さえる、という形で全然良いと思います。

学生は、よく意味も考えず人物名等に対して安易に暗記に走りがちですが、それでは歴史を勉強させる意味がありません。

時代の流れを理解させる、という勉強に特化させ、逆に暗記量を減らしその負担は軽くさせる、いう形を取るべきです。

先程、古文漢文は当時の時代背景や価値観の理解を深めると主張しましたが、そういった内容こそ歴史科目に含めて、歴史は暗記だけで解くものでは無く、国語で必要な読解力を合わせて解く、という形に変えていくべきです。


別に「社会」に限らず、時代が変化していく中不必要な学習内容はどんどん減らし、必要な内容はどんどん増やすべきではないでしょうか。
テストで点数を取る為の「暗記力」よりも「理解力」が必要です。

日本の教育システムは、昔から変わっていなさ過ぎると言われています。

組体操なんかは要らないですし、もっとネット社会に対応した学習内容を反映させる必要があります。

ただ、「お金」に関しては昔から
生きる為に「かかせないもの」であるはずなのに、どうして小中高で詳しく教えないのでしょうか。

抽象的に、教育内容を「伝統的なもの」と「実用的なもの」に分けるとしたら、日本は「伝統的なもの」に偏り過ぎているのではないかと思います。

「伝統的なもの」に関連する「日本人としての誇り」や「愛国心」は確かに大事ですが、それを維持する為にも、時代の変化を柔軟に対応できる、より実用的な教育内容にすべきではないでしょうか。

昔のままの教育内容で育てられた人達が、いざ社会に出た時に突き付けられた現実に対して、より苦労してしまったり、今までの勉強が無駄だったと感じてしまったり…といった状況は減らすべきです。

コロナを機に、9月入学やら教育について色々話が出てきていますが、今こそ既存の社会システムに人々が疑問視し始めている時だと思います。

より多くの人が、今後の社会を考えるきっかけになれば良いです。

ここまでお読み頂きありがとうございました😊


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?