柔道整復師を辞めた話
まず初めに。
これは柔道整復師批判でもなければ整骨院(接骨院)批判でもなんでもありません。
経歴
高校卒業後、4年制の柔道整復師学科を有する大学に進学
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在学途中より接骨院→整形外科という流れで研修(アルバイト)
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国家試験合格後そのまま研修先の整形外科に就職
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約3年勤めたのちに退職
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自費整体と企業内整体を個人で始めるが上手くいかずにフェードアウト
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キャリアチェンジして再スタート
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今日に至る
学生時代
学生時代は国試に受かるための最低限の勉強と臨床で使う知識や技術の勉強以外は自由に遊んでバイトする毎日。
とにかく最短3年で免許を取ろうと専門学校に通う方も多いと思う。
ただ個人的には大学生活を通して色んなものが得れるかなと思い大学を選んだ。
結果的にこの選択は自分にとっては100%に近いくらい満足している。
もう少しあれ早くやっておけばな…という部分もあるけど、大学4年の生活に後悔は全くない。
学生時代から治療院でガッツリ研修したりという方も多いと思う。
ただ自分は1週間に1回研修に行くとかその程度だった。
たまーに柔整関係の勉強会みたいのにも参加したりしていた。
今の時代はそれ以上にITスキルとか広く浅くで良いので別の分野を勉強しておくことも大切だと思う。
まあ学生時代はとにかく遊んどけって話ですね。笑
就職〜
自分は学生時代から研修してた整形外科にそのまま就職させていただいたので特に就活もせず楽に就職できた。
職場も割と最初の方から患者さんに触らせてもらえてたりと割と自由にやらせてもらってたので非常にやりやすかった。
その分課題は沢山ありすぎるので家に帰っても色々書籍等読んだり、休みの日もセミナーみたいの結構出たりすることが多かった。
(ただこれが結果的に自分の身体を壊す原因に)
気になる給料と拘束時間
まず拘束時間に関して。
自分は整形外科だったので基本的には 9:00〜12:00 / 15:00〜19:00 で実働は7時間だったのでそこは恵まれていた。
残業もほとんどないので19:00過ぎには家に帰れていたと思う。
週に何度かカンファレンス的なものはあったが、昼休みも約3時間あって基本的には自由だったのでランニングしたり参考書読んだり練習したりある程度時間は有意義に使えた。
逆に整骨院の場合はかなり拘束時間が長い。
接骨院で正社員として働いたことが無いのであまり分からないが、
友人の話を聞いてると平均 9:00〜21:00 くらいと言ってた。
(ある友人はレセあると日付跨ぐとかも言ってた….)
とはいえ定時で終わってそのまま終わりとは言えず、
まだまだ新米だったので患者の資料まとめたり、勉強したり、練習したりで持ち帰りの課題は結構多かった。
マニュアルがある訳でもないので先輩や他の先生にも相談しつつ結局は自分の形を作らないといけない環境だったのは成長できた反面最初は本当に辛かった。
あと自分の勤めていた整形外科は平日に休診日がなく、土曜日も昼過ぎまで診療だったので実質的には日曜日しか休みが無い感じだった。
救急当番の週は週休0という日も… 院長バケモンかよ…
ちなみに今は木曜休診らしい。うらやま。
余計な話は置いておいて、
個人的にはこれが結構辛かった…
有給もあって無いようなもんなので平日に休めるのは親族が亡くなったときか感染症になった時くらい…
日曜日もセミナーに行ったりする日が結構あったので休みが少ないのは本当にキツかった…
続いてお給料。
1年目こそは一般的な企業に勤めてるみんなと同じくらい。
ボーナスも一応あったけど2桁なかったかな笑…
まあもらってる身なので仕方ない。
2年目以降の昇給は5000円上がるだけなので住民税の支払いで手取りはむしろマイナス。
残業代は1円も出ないというか院で残業ができないので全て持ち帰り。
当然家賃補助等もないので1人暮らしとはいえ結構カツカツ。
貯金なんてできるわけ無い。っていうくらいでしたね。
周りの友達の話を聞いてもだいたいみんなそんな感じ。
整骨院の場合はボーナスも無いっていうところが多いみたいなので管理職付かないともっとキツイかも?…
あと社保?健康保険が協会健保のものじゃなくて医師国保とかいうボッたくりの割に傷病手当とか使えないクソ保険だったので痛かった。
おそらく2024年現在の物価では一人暮らしキツイかも。
大学の時の方がお金持ってるくらいだった笑
退職→半独立
一向に給料が上がらない(まあ病院だし仕方ない)
ここで続けても将来的な成長もなければ業界の先行きも不安。
ってことでとりあえず辞めた。
正直ここらへんの時期はかなり疲弊していて精神的にもめちゃくちゃ不安定な時期だった。
とりあえず地元に戻ったものの柔整師以外の資格もなければスキルも無い。
かと言ってもう整骨院や整形外科に就職するのはごめん。
とりあえず何の当てもないので自費で出張整体と企業内施術を募集してる案件があったので応募してそれで食い繋いでいた。
少し遅れて知り合いの紹介で事務仕事的な求人を貰ったのでそちらを本業で整体を副業みたいな感じでのらりくらり。
もう少し客が増えたら店舗持とうかなとか色々考えながらやってたけど、
段々と施術することも嫌になっていってしまった….
ここでもうセラピストやる意味ないなということで引退。
お疲れ様でした。笑
柔道整復師に向いてない人
柔道整復師を天職にする人もいれば自分のようにギャップに耐えきれずにフェードアウトする人も沢山いる。
自身の経験から以下のような方や考えを持ってたら正直柔道整復師はおすすめできない。
と思う。
① 体力に自信がない
柔整師は肉体労働である上に事務作業も営業も接客もしないといけない。
つまり他の仕事と比べて色んなタスクを掛け持たなければいけない。
まず体力に自信がなければできないし、現場で起こり得ることは常に想定外のことが多い。
その上カルテやレセプトなどの事務作業も求められる。
PCの使い方分かりません、タイピング遅いんですは言い訳にならない。
もちろんコミュニケーション力も大切だ。
コミュニケーションも口が上手いとかそういうコミュニケーションじゃない。
大事なのはどれだけ聴けるか、
そしてその聴いたことから答えのアクションを提供できるかだと思う。
② 将来的に明確なビジョンが無い
これはまさに自分がそうだった。
よく柔整の専科学校に入る時の面接の定型分みたいな感じで、
地元で開業して恩返しがしたい。
とか
社会貢献したい。
っていうフレーズがある。
正直この程度の目標設定だと自分の立ち位置が分からなくなって確実に迷走
する。
結局自分も最初はとにかく開業したいという思いでやってたけど、
どういうコンセプトの院でやるのか?とかペルソナ(客層)は?とか全く考えていなかった。
ただ目の前に転がってくる多くの情報から役立ちそうなセミナーばかりに参加して結局ブレブレ。
お金と時間の無駄。
おそらく今の業界のこと考えると何でもできる系の治療院は確実に埋もれる。
だからこそこれ!という武器を就職時、いや学生時代からいくつかに絞ってそれの技術に特化してるとかその武器で戦ってる院に就職できると良いなと思ってる。
③ ガンガンお金を稼ぎたい
これは本当に1番伝えたい。
柔道整復師という職業自体が全く稼げないという訳では無い。
ただそこにたどり着いてるのは本当業界全体で1割程度だと思う。
しかもそこにたどり着くには相当な努力や犠牲が必要。
こんな言い方は失礼だけど、もっと効率よくお金を稼げる仕事は山ほどある。
つまりお金が沢山欲しいのであれば本当にこの仕事はお勧めできない。
④ 感情移入しすぎる
感情移入というより患者ファーストで考えすぎてしまうと言った方が正しいかも。
これは向いていないというか、患者より先に自分が壊れると思う。
もちろん柔整師という仕事をしている以上患者の悩み、痛みを取り除くことが1番の目的である。
ただこればかりを考えて自分の施術に沼って自分に自信が持てなくなったり
自分を責めたりすることで
本来健全であった施術者が健全でなくなってしまう。
なかなか改善しないなら他人に任せるくらいの気持ちでやるくらいが丁度良いと思う。
何はともあれこの仕事は絶対に健全な身でなければ施術をする権利は無いんじゃないかと思ってる。
⑤ プライベートを大切にしたい
拘束時間で書いた通り。
整形外科や病院の場合は比較的拘束時間は短い。
しかしキャリアアップは期待しにくい。
整骨院や接骨院は院内での役職昇格がしやすい反面、
役職が上がれば上がるほど拘束時間は長くなると考えた方がいいと思う。
休みや家族との時間を大切に優先したい人はやめた方が良いって思う。
以上が個人的に柔道整復師に向いてない人の特徴だと思う。
つまりこれは俺のことだ。笑
この逆なら向いているって訳でも無いと思うけど、
少なからずここに当てはまることが多い場合は少し考えた方が良いかなと思う。
さいごに
何でこんなこと書こうかと思ったのかは明確で、
自分と同じように時間と金を無駄にして欲しく無い。
という思いが1番です。
あともう1つはやり直しはいくらでもできるという事です。
自分は26歳の途中で完全に柔整師(セラピスト)を引退して、
全く医療関係とは異なる専門的な技術を取得するために1年弱専門スクールに通いました。
そして昨年途中に無事キャリアチェンジすることができました。
おそらく自分よりも歳を重ねてる人でもこういうキャリアチェンジに成功してる人もいると思うので、
もう遅いじゃなくてまだ自分はやれる!っていうマインドで行動して欲しいなと思います。
はい。そんな感じです。
これから柔整専科の学校に入ろうと考えている人。
整骨院や整形外科に就職しようと考えてる人、
現在柔整師として勤めてるけど燻ってる人に届けば良いと思ってます。
最後に後1ヶ月で国試ですね。
とりあえず国試は受かっておいて損はないと思うのでラストスパート頑張ってください。
おわり。
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