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アートの見方、アートの味方

こんばんは。まゆそです。
発信することや作るペースがはやくなったことで、今まで出会わなかった方とお話する機会が増えました。

わたしは肩書きがアーティストなので
「アートってなんなのですか?」
と聞かれることも増えました。

そこでわたしなりのアートの見方、視点を書きます。
これによってアートが少しでも身近になれば嬉しいです。

アートの評論家、学芸員、観賞教育の先生等の専門家もアートについて語る際は、そうだと思うのですが、アートに唯一の答えはありません。
わたしの方法論はひとつの切り口であることはご了承ください。


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アートの見方

わたしのアートの見方はパターンがあります。

1、ソクラテスになりきる
2、プラトンになりきる
3、作り手になりきる
4、バイヤー、キュレーター、ファンになりきる

大きくはこの4つです。


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1、ソクラテスになりきる  2、プラトンになりきる とは


ソクラテスとは哲学者です。そしてプラトンはその弟子です。
1、2の方法は、歴史・文化・社会・テクノロジー・経済・思想・運動、全ての知の要素を用いて論理を組み立てます。

ソクラテスは自身の著書がありません。ソクラテスはプラトンの著書によって語られる哲学者です。
このことから分かるように、ソクラテスは自身が論じることを重視しました。それに比べ、プラトンは師の言葉を起こし、誰が語っても論じることができる型に落とし込みました。

ソクラテスになりきるとは-自分の視点、経験を元に、アートとのずれを認識し、全ての知を用いて論を構成する方法です。

プラトンになりきるとは-全ての知を用いて、アートを観察し、誰にでも当てはまり、再現性のある、誰がその通り論じても納得がいく論を構成する方法です。

ただ、プラトン手法の大きな欠点は現代アートを見る、語るときは近すぎて見えない、論じるには要素が足りないことがあります。時としてアートは卑弥呼的、占い的に少し先の未来を当ててしまうことがあります。(アーティストは微々たる変化に敏感なので)証拠が揃わないとプラトンの手法はとても陳腐なものになってしまいます。

この二つ似ているようで本質は全く違う論じ方なのです。


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3、作り手になりきる  4、バイヤー、キュレーター、ファンになりきる


この2つ方法論は1、2に最終的に落とし込もうと思っても有効です。
この2つの視点を持つと「何のために・誰が・どこで・いつ・どのように」を意識するようになるからです。
わたしは作り手なので、これを意識すると筆が進みます。

例えば、印象派の絵はキラキラしているのはなぜでしょう?

絵具が持ち歩けるようになり太陽の下、風景を描けるようになったからです。

ゴッホにお金がないのはなぜでしょう?なぜ、以前の宮廷画家のように人物画を描かず、ひまわりを描いたのでしょう?

産業革命が起きたことで資本家の力が強くなり、写真が絵画に変わり、お金持ちにとってのマウンティングツールになり。ありのまま映る写真や資本家に対抗すべく絵画は自己表現ツールに変わってしまいました。

その時代のテクノロジー(絵具、写真)によって描くモチーフや描く目的まで変わってしまう、影響を受けるのがアートなのです。

1,2と違うのは、3,4は論を組み上げる仮定設定、イマジネーション装置です。アートの見方としては一番ここに時間をかけたいところです。1,2は人を納得させる強情な思考手法ですが、3,4はゆるやかな自身を知るための思考方法だからです。

アートの魅力は自身と異質なもの、異質な他人をどう受け入れるか。未知なるものに不安や怒りでなく、自身をどのように納得させ、行動するかの判断と行動の能力が磨かれていくことです。

1,2は論を論じるのが好きな人がすればいいのです。

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ゆる〜くいきましょう

わたしのアートの見方どうでしたか?
少しでも、アートについて話すことが楽しくなれば幸いです。

わたしはここから強ソクラテス的に自身のアートに落とし込み、時々弱プラトン的にnoteします。

論じることはとても特殊能力なので難しいことです。
論じるスペシャリスト、大学の先生の文章とか読んでいると、もう才能が駄々流れで自身の論じ方にコンプレックスを覚えることもあります。

そのときは、プラトンだけで勝負せずに、ソクラテスや作り手、バイヤー、ファンの多角的な視点から、尊敬するアートについて関わっていければと思います。

楽しく話せば、それが全てあなたのアートの見方です。
いつでもアートはあなたの味方です。


作品はこんなもの作ってます→




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