シェア
半井さわおみ
2019年1月26日 01:36
しくみちゃんの横の席のこもんちゃんたちがそのとなりのこもんちゃんたちの悪口を言いはじめた。それをきいたそのまたとなりのこもんちゃんたちはとなりのとなりのこもんちゃんたちと同じようにとなりのこもんちゃんの悪口を言いはじめたのさ。 こもんちゃんたちは花のように可憐だったから、どんなにその口から悪どい言葉がとびでても、しくみちゃんはみんなとってもかわいいなってすっごく感心してた。かわいいかわいいこも
2019年1月17日 12:18
冷めたコーヒーは苦い水であるからして不味いのは当たり前のことである。かといって大雨で増水したドブ川の匂いがするとなったら話は別だ。好奇心から、私は中に人差し指を沈めてぐるりとかき混ぜてみた。するとそこには硬い鱗の肌触りがある。ツツと滑らしてみると、薄衣の如き尾ひれが揺蕩っているではないか。じっと目を凝らしてみるとそこには銀色の鮒が泳いでいる。 「これは本当にドブ川になってしまったようだ」
2019年1月17日 12:12
ある時、しくみちゃんのセーラー服のリボンがなくなった。赤くて、カワイイ、テラテラのリボン。しくみちゃんは目を丸くして、「わたしのリボンがありません」と学校中をぐるぐるしはじめた。あんまりしくみちゃんがぐるぐるするものだから、お友達のあゆいちゃんはずるずるとひっぱられていつのまにか裏庭の焼却炉の前で授業を受けるはめになった。あゆいちゃんは教室から自分がいなくなったからさぞ大変なことになっているだろ