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◎玄米菜食のすすめ◎食卓が豊かになれば、病気が増える!?

玄米や粟や稗を食べていた頃は、一汁一菜で食べ物に不足感はありませんでした。

江戸時代の途中から、貴族でない庶民も白米を食べるようになったそうです。そして、玄米を食べている時にはなかった「脚気」という病気にかかる人が出てきました。

「脚気」とは、「江戸わずらい」とも呼ばれ、白米が流行った江戸において疾患が流行したところからそう呼ばれるようになりました。

今回は、なぜ玄米菜食が良いのかということを、「玄米」「脚気」「白米」から紐解いて行きたいと思います◎

脚気とは

ビタミンB1不足が原因で、心不全と末梢神経障害をきたす疾患です。

軽度のものはチアミン欠乏症。心不全によって足のむくみ、神経障害によって足のしびれが起きることから脚気と呼ばれています。心臓機能の低下・不全(衝心、しょうしん)を併発したときは、脚気衝心と呼ばれ、最悪の場合には死亡に至ります。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


「敵の銃弾に散った戦死者の数よりも脚気心による病死者の方が遥かに多かった」という文献がありました。

日露戦争では25万人もの脚気患者がでて戦傷病死者4万余人のうち病死者が3万人を占め、病死者の多くは脚気心によるものだったとされています。
出典:耳寄りな心臓の話(第21話)『 銃弾よりも多くの命を奪った脚気心』

白米と脚気

お米の胚芽には、たくさんのビタミンB1が含まれています。お米を精米して白米にすることで、玄米で食べるよりも多くのビタミンB1を失ってしまっていたのです。

また、ビタミンB1は水溶性なので、お米を研ぐ度に水に流れていってしまいます。

江戸で脚気が流行った時、人々は白米をたくさん食べ、玄米を食べていた時と同じ副菜を摂り続けていたとすれば、玄米で補っていたビタミンが不足になるはずです。

玄米とビタミンB1

玄米100gあたり、ビタミンB1は0.41mg含まれています。

白米は0.08mgですので、約5倍多く含まれています。

また、米ぬかにはなんと、100gあたり3.12mgも含まれているそうです。
玄米の約1割が米ぬかだと考えれば、
玄米100gに対して、米ぬかが10g→0.312mg

ということは、玄米に含まれるビタミンB1の0.41mg中、0.312mgが米ぬかとして取り除かれて食べているということになります!!!

約76%のビタミンB1を精米して捨てています。

科学技術庁資源調査会《五訂日本食品標準成分表》より


石塚左玄先生は、
「白米は粕であり、米のやすらぎは糠にあり」
と言っていたほどです。

現在の食卓

現在の日本の食卓は、ご飯に主菜、汁物、副菜と、一回の食事でたくさんのおかずを食べます。

よく母が、
「おかずがこれだけじゃ、お父さんが満足してくれない。」
と、何種類もの料理を作っていました。

もちろん、栄養のバランスも考えて、たくさんの野菜も使います。
お肉がないと、味気ない。と言われることも。

裏を返せば、玄米から白米が主流になったことで、玄米で補っていた栄養分を主菜や副菜で補わないといけなくなったためとも考えられます。

1日に必要な栄養を白米を主食として摂るならば、ほうれん草なら大皿山盛り4杯、肉、魚なら3kg、りんごなら10kgも摂らなければいけません。

出典:幕末名医の食養学 沼田勇 光文社文庫

食卓の豊かさと病気

明治時代に肉食の解禁、戦後の学校給食へのパンと牛乳の採用食の欧米化など、先進国へ追いつこうと、食生活も変わりました。

今では世界各国の料理を味わうことができますし、家庭の食卓にも様々な料理が並ぶようになりました。

私もパンやパスタ、インドカレー、タイ料理やベトナム料理大好きです。
好きなものを好きだけ、どこでも食べられて、家でも作れて食べられることは喜びです◎

食卓にたくさんの料理を並べて食べることに、満足感を感じていたのだと思います。それが「豊かさ」であり、「豊かな食事」だと。

しかし、食生活を変えたことによって、昔にはなかった病気が出てきていることも明らかです。

玄米菜食のすすめ

玄米には、ビタミンだけでなく、マグネシウムやリン、葉酸やパントテン酸、食物繊維などの栄養素も豊富に含み、エネルギー源にもなるパーフェクトな食材です。

玄米を主食としていた昔の人たちの「玄米菜食」は身体に素晴らしく良いものだったのです!!

玄米に、自分で作った味噌で味噌汁と、それからもう1品。

これだけじゃはじめは味気ないし、もっと食べたいと思うかもしれません。

でも、食べ物や食べられることに感謝して、よく噛んで食べ続けることで、どんどん満足していくと思います!!

食卓にたくさんの食事を並べて食べることよりも、身体が喜ぶ食事を摂ることが本当の「豊かさ」ではないかと私は思います◎

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