見出し画像

光を集める

3/4


少しずつ回復してきている。
1月の日記を読み返していたら、なんというか、暗かった。私が生まれ持ったお馴染みの暗さとも言える。精力的に活動し人と関わることができるようになったのは、ここ2年ほどなのだ。
憂鬱で塞ぎがちな自分も確かに存在している。悪いことではない。いや、むしろ、自分のそんなところが好きでもある。

日記を読んで、心配になったと声をかけてくれる人たちもいた。申し訳なくなるが、明るく賑やかな私以外も楽しんでもらえたら嬉しい。

3/10


花粉でぼろぼろになっている。集中力がもたない。
撮影で、前から行きたかったホテルに行く。自転車を入り口の真横に停めさせてもらえた。

3/11


知り合いとモンキーパークに行く。疲れて座っていたら大きなピンク色の綿菓子を買ってくれた。恥ずかしそうにしているのが良かった。

夜は街に繰り出す。女の子も来てくれたので賑やかに過ごす。

3/12


知り合いと女の子と岡本太郎展を見に行く。岡本太郎の作品は情報量が多く私には見づらかった。

子連れの来訪者も多かった。大人になった時に「変わった絵やオブジェを見に行った気がする」と思い出したりするのだろうか。ぼんやり覚えているものが後々すごく好きになったりすることも多い。私が子供だったら泣いていたか怒っていたと思う。

3/13
永遠嬢さんたちとリハーサルをする。大阪のSMバーの周年で「芋虫」をお見せするのだ。楽しみなのでリハも念入りにする。

知り合いも見にくる。この人が「芋虫」の脚本を書いてくれた。知り合いとはもう当分会えないのでしんみりする。

3/14
仲良くなりたいと思っている人に自分から挨拶をしてみる。どきどきした。

3/15


春夏の服を買う。
季節が変わるのが寂しいと思う。少しでも気持ちが晴れるように明るい色を選んだ。
今まで持ち物は黒や暗い色が多かったが、この頃は白や明るい色を選ぶようにしている。視界に入る色が明るい方が楽になると気づいた。

新しい眼鏡が気に入っている。クリアなフレームだと、目に光が入りやすいと気づく。
目に光が入っていれば寂しそうな人には見えづらい。

3/16


自分への誕生日プレゼントとしてトナカイさんに撮ってもらう。
去年の今頃も撮ってもらった。私のほとんど全てが変わったけれど、写真に写っているだろうか。見比べようと思う。

3/17

前から撮ってみたいと慕い続けていた人たちを撮る。話しながら撮影するのは楽しい。伝えたい言葉を選びながら撮ることが好きだ。

3/18


モデルさんの体にギュッと力が入り肩が上がっていることがある。
肩の力を抜いてみましょう、とか、リラックスしてくださいね、と声をかけるとより緊張させてしまう。
自分の呼吸を相手の呼吸に合わせる。呼吸に合わせて肩を上げ下げし、息を吐くタイミングで肩をストンと落とす動作をする。大抵の人はこれで力がぬける。表情やポーズが自然にゆるむ。精神的な距離感も縮むような気がする。

相手の肩が上がっている時、私もまた体に力が入って頑くなっていることが多い。もしかしたら私の方が先に力んでいたのかもしれない。向かい合っている人から発せられるイメージに当てられてしまうのだなと気づく。

閉塞的な気持ちでいたが、呼吸を整えてゆったり構えていきたい。

3/19


名縄会の縄会へ。
安心して気持ちよくなれる場所があって幸せだと思う。

3/20


「私時々レッサーパンダ」を見る。
最近の子供はこんなに洗練されたものを見て育つと思うと羨ましい。きれいに整えられすぎていて怖くもなる。

母と娘の関係を呪いと表現し、乗り越えていこうとする娘と足を引っ張る母親。ぱっと見の絵面がポップで可愛いが、ホラー映画としても成り立っていた。

月一の病院にも行く。抗うつ薬を捨てていることは言えなかった。
良くもないが悪くもない。死ぬ時にぼちぼちだったと思いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?