他のメンバーの演奏に即座に反応すること。

ITAZURA STOREのライブはいつも何らかの発見がありますが先日もありました。ヴォーカルのAKANITAはMCの際にバックの演奏のコード、キーに声のトーンをしっかり合わせてるんです。リズムも合わせています。繰り返しますがそれは歌ってる時では無くてMCで話してる際のことです。歌ってるようなMCというのともちょっと違います。音楽の付いたポエトリーリーディングのようなイメージでしょうか。音楽と気持ちよくMCが融合します。バックの演奏の良さもしっかり聴こえてくるしMCもその音楽の一部になってるんです。永年あらゆるライブを観てきましたが初めて気付きました。更に驚いたのはAKANITAはそれを意識的にやってることです。

素晴らしいミュージシャンは他の楽器奏者の演奏をしっかり聴いてる、とはよく言われることです。例えば長いギターソロに呼応するベースやドラムのフレーズなどしっかり聴いてないと即座に反応できません。そしてそんな楽器と楽器の会話こそがライブの醍醐味であり強く印象に残るものです。

最初の話に戻りますがITAZURA STOREのMC中にアドリブ的な演奏をすることが良くありますが、AKANITAはその音楽をしっかりと聴きながら話します。インプロビゼーションの応酬であり即興のセッションであり、これこそ楽器と声の会話でもあります。そんなに分析的に聴かなくても彼女らのライブにとても親密なイメージがあるのはそういう細かなところの積み重ねなのかも知れません。

あなたは自分が演奏しながら、歌いながら、他の楽器奏者の演奏をどのくらいしっかりと聴いてますか？アドリブのフレーズに即座に反応できるくらい聴いてるでしょうか。私はアドリブフレーズに即座に合いの手を入れる演奏が大好きで、ライブの時間からしたらほんの一瞬の出来事ですが、そんなちょっとした楽器同士の会話こそが強い印象を与え感動に繋がるものだと思います。