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遺伝子組み換えキャノーラ油と養殖サケについて

 養殖サケの飼料に遺伝子組み換え(GM)キャノーラ油を導入することは、当初は持続可能性の課題に対する解決策として提示されましたが、現在では厳しい監視下に置かれています。人間の健康と環境の両方への長期的な影響に対する懸念が高まっているからです。
 ノルウェーの水産養殖食品研究機関ノフィマの研究を含む最近の研究は、遺伝子組み換えキャノーラ油を画期的なものとして宣伝しています。 しかし、さらに掘り下げてみると、憂慮すべき問題が浮かび上がってきます。遺伝子組み換え原料の導入は、アレルギー、がん、抗菌剤耐性などによって予期せぬ結果を引き起こす可能性があるのです。
 
● 隠された危険性
 ヨーロッパで禁止された毒性の強い除草剤グルホシネートに耐えられるように開発された遺伝子組み換えキャノーラ油は、その安全性について憂慮すべき問題を提起しています。
 サケの養殖に用いられている遺伝子組み換え飼料には生態学的危険性が覆い隠されています。非遺伝子組み換え作物との相互汚染の危険性、生物多様性への悪影響、自然生態系への不可逆的な変化は、潜在的な環境危機を指し示すものであり、深く懸念されています。

● オメガ3はどのような代償を払うのか?
 サケに含まれるオメガ3脂肪酸は心臓の健康や認知機能に極めて重要ですが、サケの飼料に遺伝子組み換えのキャノーラ油を使用することは、不確実性をはらんでいます。魚油の供給が減少していることを背景に、オメガ3系を豊富に含むサケの需要を満たすために遺伝子組み換えキャノーラ油を追求する養殖業界は、ますます議論を呼んでいます。遺伝子組み換え食品を取り巻く懐疑的な見方や安全性への懸念は広く浸透しており、世論に影響を与え続けています。
 このような懸念が高まる中、遺伝子組み換えキャノーラの影響を評価するための厳密で長期的な研究が必要不可欠となってきます。持続可能性における養殖の短期的な利益よりも、公衆衛生と環境保全の保護を優先することが不可欠です。 しかし、私たちが知っているように、いわゆる「政府の保健機関」と呼ばれるものは、その本来の仕事をしていません。

● 解決策とセーフガード
 議論が激化する中、消費者と業界の関係者は、より安全で非遺伝子組み換えの代替品と厳格な規制監督を提唱しなければなりません。危険な遺伝子組み換え原料を排除した持続可能な養殖方法を支持することは極めて重要です。消費者としては、透明性を要求し、天然鮭を選び、養殖鮭を完全に排除する必要があります。
  養殖サケの飼料に遺伝子組み換えキャノーラ油を使用することは、持続可能な養殖への一歩のように見えるかもしれませんが、倫理的、健康的、環境的に見過ごすことのできないパンドラの箱を開けることになります。 養殖用飼料への遺伝子組み換えキャノーラ油の使用を拒否し、今日の解決策が明日の災いとならないようにすることが不可欠なのです。

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