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人間の神格化

 人間は、何かを礼拝したいという本能的な欲求を持っています。しかし、神の存在を否定した結果、礼拝の対象となるものは被造世界にしか存在しなくなりました。被造物で最高のものは人間です。それゆえ、人間そのものが神格化され、礼拝の対象になっていきます。人間の神格化がもたらすものは、没神論です。
 
 「神の死の神学」の支持者であるアルタイザーは、新しいユートピアの世界に入るためには、人間は次の3つのことをする必要があると述べています:
1.    聖書の神が死んだことを認める。
2.    聖書が教える倫理基準を逆転させる。
3.    人間こそ「大いなる神(Great Humanity Divine)」であると宣言する。
 
 ニューエイジ運動は、すべての人間の内側に神が宿っていると教えます。人間の神格化を推進する一連の動きの背後には、悪魔の策略があります。患難期の中間で、悪魔の代理人である反キリストは、自らが神であることを宣言し、自分を礼拝せよ、と要求するようになります(2テサ2:3~4、黙13:4~8)。今、悪魔は人間の神格化というプロセスを通して、人々が反キリストの主張を受け入れるような環境作りをしているのです。
 
 人間の神格化は、人間の原罪の否定につながります。そもそも神はいないのですから、神への反抗によって生まれた原罪も存在しないことになります。世俗化した人間は、次のように主張します:

1.    神への反抗を記した物語は神話である。
2.    性悪説ではなく、性善説こそ正しい。
3.    進化の過程で、人間は動物的な本能を乗り越え、進歩してきた。今後も人間の進歩は続くだろう。
4.    善なる本質を宿す人間は、教育によって争いのない理想的な社会を作り出すことができる。そのためには、統一政府と統一宗教のもとで一致協力する必要がある。
 
 しかし、いくら人間の原罪を否定しても、人間の心に原罪が宿っているという事実は変わりません。人間の心は、社会改革や教育によって変えられるものではありません。社会から神を締め出し、人間の可能性を開花させようという動きは、「文化戦争」と呼ばれるものですが、その実態は「霊的戦い」です。

 神の国と悪魔の国の葛藤は今も続いています。その中で、神は今も神の国に入る人たちを起こしておられます。私たちクリスチャンは、神の国の拡大のために労するイエス・キリストの兵士たちなのです。
 神はあなどられるようなお方ではありません。神の時がきたなら、神は速やかに行動を起こされます。

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