アメリカの医師、10年間で製薬会社や医療大手から120億ドルを得る

　JAMA Networkの報告によると、製薬会社や医療機器会社は、過去10年間で120億ドルという途方もない金額をアメリカの医師に支払ってきました。薬や医療機器の処方と引き換えに与えられるこうした金銭的インセンティブは、医療業界の改革が急務であることを浮き彫りにしています。

　迫り来る真の問題は アメリカ人はこのような多額の金銭的影響の中で、医師の治療方針を信頼することができるのでしょうか？

●アメリカの医療制度における真実
　アメリカの医療産業が民営化されたことで、世界的に人間の状態を向上させる画期的な進歩がもたらされたことは否定できません。しかし、医療技術の急速な進歩は、それなりの課題ももたらしています。

　大手製薬会社とMedtechは医師と密接に協力していますが、必ずしもアメリカ人の利益になるとは限りません。多くのアメリカ人は、医師が患者の幸福を優先するものと信じていますが、医療業界内には金銭的腐敗が蔓延しているのです。この腐敗が処方箋薬、医療機器、外科手術の費用を押し上げ、多くの人にとってますます大きな負担となっています。

●最も危険にさらされている医療専門分野
　上記リンク先の報告書を精査すると、医療機器と製薬業界が39の専門分野にまたがる医師に85,087,744件もの支払いを行っていたことがわかります。 合計すると、全米の開業医の57％が、薬や医療機器、その他の医療を処方する際に金銭的なリベートを受け取っていたことになります。

　心臓専門医、神経科医、精神科医、整形外科医が最も高額でした。心理学と神経学分野の医師は13億2000万ドルという驚くべき金額を受け取っています。整形外科医はさらに多く、この10年間で13億6千万ドルという驚くべき額を記録しています。

　対照的に小児外科医と外傷外科医は、金銭的なキックバックを最も受け取っていません。 外傷外科医は10年間で696万ドル、小児外科医は289万ドルを受け取っています。さらに細かく見ていくと、最大の金銭支払いは、免疫抑制剤ヒュミラや抗凝血剤エリキュースやイグザレルトなどの特定の薬の処方に関連しています。同様に、多額の利益をもたらした医療機器を調べると、心臓弁 CoreValve Evolut と 2 つのロボット手術システム、Mako SmartRobotics および da Vinci Surgical System が業界を支配していることがわかります。

●なぜ医師やその他の医療関係者に金銭的な支払いが行われたのか？
　上記に詳述した金銭的な支払いは、主にマーケティング目的で行われています。 このような支払いを直接医師に行い、医師が患者に薬や機器を押し付けるという論理は、他の広範なマーケティングやアウトリーチキャンペーンで何十億ドルも費やすよりも安上がりだからです。

　分析の範囲は、処方薬や耐用年数の長い機器などに関する教育のために医師に支払われた金銭を含んでいます。 また、コンサルティング、接待、助成金などの補助的な目的にも資金が使われています。

●医療業界の腐敗の犠牲者にならないために
　健康的な食事とライフスタイルを選択することで、自分の健康をコントロールしましょう。 大手製薬会社の薬に頼るのではなく、ホリスティックで自然な健康法についての知識を身につけましょう。 医療業界の被害者にならないためには、自分自身を大切にすることが重要です。