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カドミウムがもつ危険性

 音楽ジャンルとしてヘビーメタルが好きなのは構わいませんが、これらは健康へ悪影響を及ぼす危険性があるため、食品に含まれるヘビーメタルの摂り過ぎは絶対に避けたいところです。

 Food and Toxicology誌の2023年8月号に掲載された新しい論文によれば、6種類の一般的な食品を常食すると、ある重金属の最大許容摂取量を超えてしまう可能性があると述べられています。
 
● 一般的な6種類の食品を適度に摂取すると、子どもたちが危険なレベルの重金属カドミウムにさらされる可能性がある
 
 米国有害物質・疾病登録局(ATSDR)によれば、腎臓への影響から、「慢性的に経口摂取しても健康への悪影響がない」カドミウムの最大量は、わずか0.0002mg/kg/日です。
 ATSDRは「カドミウムの毒性を示す証拠が増えつつある」と指摘し、重金属のカドミウムは国際がん研究機関(IARC)によって発がん性因子に分類されていると警告しています。 そして、他の多くの重金属と同様、カドミウムも私たちの環境にかなり偏在しています。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、この重金属は「ほとんどの土壌と岩石」に自然に含まれているが、化石燃料、石炭、肥料、採掘プロセス、廃棄物焼却などによって環境中に増加する」と指摘しています。 また、バッテリー、顔料、金属コーティング、プラスチック、タバコの煙などにも含まれています。

 カドミウムは地下水や農作物にも含まれています。 このことは、ミシガン州立大学を拠点とする最近の研究で明らかにしているように、人々、特に国内で最も弱い立場にある人々は安全レベル以上のカドミウムを容易に摂取できてしまうことを意味しています。
 研究者の調査によると、食事によるカドミウム過剰暴露のリスクが最も高いのは、生後6~24カ月と24~60カ月の子供です。 食事によるカドミウム暴露の重大な原因として特定された食品は以下の6つです:

「米、 ほうれん草、オーツ麦、 大麦、 ジャガイモ、小麦」

 この研究結果で特に問題なのは、カドミウム暴露が「安全な」限度を超えるには、それほど多くの量を必要としないことです。 たとえば、6ヵ月から24ヵ月の子供は、ほうれん草と米を週に1回しか食べない場合でも、カドミウムのATSDRガイドラインを最大200%超えていたと研究者たちは報告しています。
 
 そして注意すべき点は、研究者たちがこれら6つの一般的な食品の摂取頻度しか調査していないことです。ベビーフード(高濃度の重金属が検出されることで有名)を含む他の食品は分析されていません。従って全体的なカドミウム暴露量はもっと多い可能性があるのです。

●カドミウム過剰暴露のリスクにさらされている子供たちを守る
 研究者たちは、子供たちは一般的な食品を通して「安全」レベルよりも高いカドミウムを摂取する可能性が高いだけでなく、身体的未熟さと神経発達のために、カドミウムによる健康への悪影響のリスクが(大人よりも)高い可能性があると警告しています。
 CDCによれば、カドミウムによる悪影響は、腎臓病や骨の脆弱化、そしてがんといったことが考えられ、大量に摂取した場合、嘔吐や下痢などの急性症状を引き起こすこともあると述べています。
 
●子供を守るために親として何ができるのか?
 重金属への暴露から子供を守る最終的な責任は、これらの製品を製造しているメーカーにあることは明らかです。 Children's Health Defensによれば、研究の共著者たちはメーカーに対して、「ベビーフードに含まれる有毒な重金属のレベルを自主的かつ即座に限りなくゼロに近づける」ことを求めています。
 米、葉物野菜、小麦のような普通の食品については、専門家は、重金属暴露の影響に対抗するために、子供に多様な食事を与えるよう親に助言しています。 可能であれば、カドミウムを多く含むとされる食品(具体的には上記の6種類)を週に何度も食べさせないようにすることが効果的であるとされています。

 過剰なストレスは避けるべきですが(ストレスが大きいと健康にも悪いので!)、子供に与える食事に気を配ることは非常に重要です。

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