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口腔内の不健康が複数のがん種に関連している

 肝臓がんは、米国やその他の地域で最も急成長しているがんの一種です。 しかし、口の健康が問題の原因であることを理解している人はあまりに少ないのです。
 口腔内の健康状態が悪いと、心臓病、ある種のがん、脳卒中、糖尿病など、いくつかの深刻な健康状態になるリスクが高まることは、過去の研究で立証されています。 簡単に言えば、歯と歯茎のケアを怠ると、口の中だけにとどまらず、はるかに多くのことに影響を及ぼすということです。
 
 例えば、歯周炎とがん、特に頭頸部がんは口腔に近いため、その関連性を掘り下げた新しい研究があります。さらに別の最近の研究では、歯茎からの出血、歯のゆるみ、その他口腔内の健康状態が悪いと肝臓がんのリスクが高まることがわかっています。 これらの症状を訴えた人は、この種のがんを発症するリスクが75%高かったのです。
 
●口腔内の不健康と肝臓がんリスクとの関連性
 消化器系のがんは世界中で大きな問題となっています。消化器系のがんは世界で新たに発生するがんの28%近くを占めていますが、口腔内の不健康とこれらのがんを結びつける証拠は一貫していません。そこで研究者たちは、歯茎からの出血のような口腔内の問題と、これらのタイプのがんとの間に関連性があるかどうかを調べるためにデータを調査することにしました。
 United European Gastroenterology Journalに掲載されたこの分析では、口腔の健康と消化器系がんの全体的なリスクとの間に有意な関連性は認められませんでしたが、別の発見がありました。
 特定の臓器のがんを調べ始めたところ、口腔内の不健康と肝臓がん、胆管や胆嚢に発生するがんとの関連が判明しました。最も明確な関連が見つかったのは、最も一般的なタイプの肝臓がんである肝細胞がんでした。
 
 彼らの分析によると、口腔内の健康状態が悪いと、このタイプのがんのリスクが75%増加することが判明しました。米国がん協会によると、1980年以来、米国内の肝臓がんの発生率は3倍以上に増加しています。 2023年、米国がん協会は、米国における原発性肝がんおよび肝内胆管がんの新規症例数を約41,630例と予測し、そのうち男性では28,000例、女性では13,630例の診断が予想されています。
 
●ビタミンCの欠乏は口と歯茎の問題と関連している
 歯ぐきの出血や歯の喪失など、口腔内の健康不良の症状を改善するにはどうしたらよいのでしょうか? 歯ぐきの炎症、歯の喪失、歯ぐきの出血はすべてビタミンCの欠乏によって引き起こされる壊血病の症状です。

 今日、(重度の)壊血病にかかるケースはまれですが、ビタミンCの欠乏は依然として口腔の健康問題を引き起こす可能性があります。 しかし、ビタミンCの欠乏によって引き起こされる口や歯茎の問題は、サプリメントやビタミンCを多く含む食品の摂取量を増やすだけで簡単に対処できます。
ビタミンCは体内で作ることができないので、食品かサプリメントから摂取する必要があります。 ビタミンCを多く含む果物や野菜には、パプリカ、柑橘類、イチゴ、トマト、ブロッコリー、ニンジン、キウイ、パイナップルなどがあります。

 もちろん、1日に500~1,000mgのビタミンCを摂取できるサプリメントを毎日飲むことも有効です。しかし、慢性的な健康問題を抱えている人には、より多くのビタミンCが必要となってくるでしょう。

 より良い口腔ケアのためには、1日2回のブラッシング、必要に応じてのフロス、ハイドロフロスやエッセンシャルオイルの使用を心がけ、口腔内を健康で清潔に保ちましょう。 また、口腔内の健康問題については、必ず歯科医に相談してください。

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