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セレン欠乏は早死リスクの上昇につながる

 International Journal of Molecular Sciencesに掲載された最近の研究では、全身の健康のためにセレンを維持することの重要性が強調されています。研究者たちは、セレン欠乏の深刻な影響、特にがんやウイルス感染症などの病気に与える影響を強調しています。彼らはまた、セレンの抗酸化作用が免疫系を高め、炎症を抑えながら心血管疾患の予防に役立つことも指摘しています。

 セレンがビタミンEと並んで、有害なフリーラジカルと闘う強力な抗酸化物質であることも、研究によって明らかになっています。これらの発見により、酸化ストレスや炎症に影響されるがんなどの様々な疾患との闘いにおいて、セレンの重要性が確認されたことになります。

●セレン欠乏が心血管死亡リスクの上昇につながる
 European Journal of Clinical Nutrition誌は、血清セレン濃度の低下が高齢者集団における6.8年間の死亡リスク上昇と相関していると述べています。研究者らは、スウェーデン南東部の疫学プロジェクトに参加した449人の高齢男女を調査しました。各参加者の血清セレン濃度は、試験登録時にベースラインとして測定され、98人については、48ヵ月後に再度測定されました。その後7年間で122人が死亡し、うち85人が何らかの心血管系疾患に起因していました。血清セレン濃度が最も低い四分位群に属する被験者だけを調べたところ、血清セレン濃度が高い他の被験者と比較して、あらゆる原因による死亡リスクが43%多くなっており、特に心血管関連死亡のリスクが56%多いことが観察されました。
 
●セレン欠乏症に対する西洋医学の認識不足
 過去にセレンのサプリメントを考慮したことがないのは、あなただけではありません。 ほとんどの医師は、患者が植物性食材から十分なセレンを摂取していると考えているため、セレンのサプリメントの必要性が話題に上ることはありません。

 しかし、アメリカ全土の多くの地域や、中国やロシアなど世界のいくつかの地域では、植物性食材から十分なセレンを摂取できるという考えは、もはや正しいとは言えなくなってきています。

●最適な健康のためにセレンの摂取量を増やす
 セレンの成人1日当たりの推奨摂取量(RDA)は55μgです。妊娠中または授乳中の女性は、それぞれ1日あたり60μg~70μgと、やや多めの摂取が必要です。

「注:ほとんどのRDAの数値は時代遅れであり、最適な健康状態を保つには低すぎます。この数値は「出発点」として与えられたものですが、セレン欠乏症を避けるために、サプリメントの十分な経験を持つ信頼できるホリスティック・ヘルスケア・プロバイダーやヘルスコーチに相談することをお勧めします。」
 
 必要量を満たすためにはサプリメントを利用することもできますし、食事内容を工夫して、食品から十分なセ レンを摂取することも可能です。例えば、ブラジル産のナッツは、1oz(約28g) 中になんと543mgのセレンを含んでいます。

 オヒョウ、牡蠣、マグロなど特定の魚介類は、他の食品に比べてセレンを比較的多く含んでいます。その他、ひまわりの種、卵、全粒粉のパンなども、セレンを比較的多く含む食品です。
 

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