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さらに恐ろしい糖尿病合併症

 糖尿病合併症は、AGEs によって全身の毛細血管が障害を受けることに起因しています。
 なかでも「3 大合併症」と呼ばれるのは、「腎臓」と「目」と「神経」。腎臓の場合は、ろ過膜の毛細血管がAGEsによって障害を受けることにより、ろ過機能が低下し、「糖尿病性腎症」が起こります。症状が進んで腎機能が大きく低下すれば、人工透析を受けざるを得なくなったり、腎不全を起こしたりすることもあります。
 目の合併症は「糖尿病網膜症」です。網膜の裏側に張り巡らされた毛細血管がAGEs によってもろくなり、出血が起こると失明することもあります。
 
心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血
 心臓や脳にとってもAGEsは大敵です。AGEsは動脈硬化の大きな原因となります。動脈硬化が起こると心筋梗塞や脳卒中などの病気が促進されます。
 心臓の血管において動脈硬化が進むと、心筋梗塞や狭心症が起こりやすくなります。
 簡単に言えば、心臓に栄養を送っている冠動脈の内腔が狭くなってきて、詰まりかけた状態で起こるのが狭心症、完全に詰まってしまった状態になるのが心筋梗塞です。心筋梗塞になると、詰まった部分より先の部分の心臓に栄養が届かなくなるため、放っておくと心筋が壊死してしまいます。一刻も早く治療をしないと、死につながってしまうのです。
 

 脳の血管において動脈硬化が進むと、脳梗塞や脳出血が起こりやすくなります。脳梗塞は血管が詰まったことによって起こり、脳出血は血管に出血が生じたことによって起こります(この両者を合わせて脳卒中と呼びます)。これらの場合も、すみやかに治療を施さないと、半身不随や言語障害などの重大な後遺症が残ったり、死亡したりすることが多くなります。

 心臓や脳に栄養を送り届けている太い血管における動脈硬化の進行を許してしまうことは、いつ爆発するか分からない爆弾を抱えているようなものといっていいでしょう。
 その物騒な爆弾の元凶がAGEsなのです。糖化を防ぐことは、AGEsを出来るだけ体内に貯めこまないようにして、「動脈硬化による怖い病気」 から自分の命を守ることにもつながるのです。

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