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クロスフィットが破滅しかけていた理由と現在の状況

※私はアメリカ及び海外在住経験もなくプロの翻訳家でもありません。全てが正確に現地の報道通りかと言われると若干のニュアンスが異なるケースや
そしてカルチャー(文化)の把握に誤りがあるかもしれませんのでご了承ください。

1.クロスフィットとは?

クロスフィット(CrossFit, Inc.)とは、グレッグ・グラスマン(Greg Glassman)によりアメリカ合衆国で2000年に設立されたフィットネス団体である。高い運動強度で行われるフィットネス・プログラムを推奨するとともに競技スポーツとして毎年、世界大会(クロスフィット・ゲームズ)を開催している。【wikipediaから引用】https://ja.wikipedia.org/wiki/クロスフィット

クロスフィットとは、歩く・走る・起き上がる・拾う・持ち上げる・押す・引く・跳ぶなどの『日常生活で繰り返し行う動作』をベースに、それぞれを万遍なくトレーニングすることで、基礎体力アップとともに、生活動作が楽になるのを実感できるトレーニング方法のことを言う。クロスフィット発祥地のアメリカでは、軍や警察の育成・サバイバルトレーニングに取り入れられたのをきっかけに、より多くの人々に支持されている。
このように、日常生活における動作のパフォーマンスと全身の機能向上を目的としたトレーニングを、『ファンクショナルトレーニング』と言い、中でも、毎回異なったトレーニングを高い強度で行うクロスフィットは、ファンクショナルトレーニングの中でも最も効率良く全身を鍛えられるため、欧米では大人気のトレーニング方法である。

世界では既に13,000軒を超えるボックス(※1)が存在しており、日本でもそのボックス数と利用者数は年々増加してきていることから、近年、新しいフィットネスプログラムとして日本でも注目され始めている。
※1:ボックスとはクロスフィットが体験できるジムの呼称。【リーボック公式フィットネスサイトから引用】

2.前回の記事

前回の投稿でクロスフィットが炎上している件についてまとめさせてもらいました。こちらをを先に読んでいただけるとより状況を理解しやすいと思います。


既に前グラスマンCEOも辞任しており、新しいしカストロCEOも就任してこれからカルチャーを変えると公言しています。

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グレッグ・グラスマン前CEO

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デイブ・カストロCEO

これだけ公にしてこれから組織を変えていくから許してやってよって思う人も多いはずです。しかしなぜ事態は収まらないのでしょうか?

残念ながら収まりきらない理由が多々あるのです。
グラスマン前CEOは100% Shareholder(株や資本金を持っている人)と言う情報が複数あり、彼を完全に追放できたとは言えない状態です。

3.アフィリエイトとの関係性とそのシステム

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クロスフィットはアフィリエイト(公認のジム)しかクロスフィットという商標を利用することができません。

クロスフィットのジムを開くためにはそのジムのオーナーがクロスフィットレベル1トレーナーの資格所有者である必要があり、クロスフィットレベル1トレーナーになるためには2日間の実技及び授業形式のセミナーに参加し、2日目の最後にある筆記試験に合格しなければなりません。(私も受講しました。)

ちなみに費用は1000ドル💲(約10万5000円)でクロスフィット本社(以下:HQ)のページからセミナー開催場所を調べ、開催国の母国語及び英語(バイリンガル形式)でセミナーが実施されます。

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レベル1トレーナーの資格を取得するとHQに年間3000ドル💲(約31万円)を支払うことでクロスフィットジム(ボックス)を名乗ることができるようになります。そしてオフィシャルにHQサイトにアフィリエイトジムとして表示されるようになります。

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※クロスフィットレベル1トレーナーがいるジムである証明になります。
上記リーボック社のページで世界に1万3000件とありましたが現在では15000件を超えており、そこから毎年アフィリエイト更新費が支払われて成り立っています。

※アフィリエイトに登録するメリットがあるのかどうかはまた別で書きたいと思います。かなりこれについてもさまざまな問題が出ています。

4.グラスマン前CEOの発言によるアフィリエイトからの失望

クロスフィットはトレーニング方法論、スポーツ、そしてコミュニティを大切にしています。たしかにクロスフィットを体験すると独特の雰囲気や通常のジムとは違う空間を感じます。ボックスならではの雰囲気と言えばいいでしょうか?

※この写真は私がドイツのミュンヘンのボックスにドロップインした時の写真です。このようにクラスが終わるとビジターと現地のコミュニティで写真を撮ってくれたりするボックスが多いです。

私も日本、ハワイ、ドイツ、フランスとクロスフィットのジムに行きましたがどこも基本的にウェルカムでそこにはコミュニティがあります。ワークアウトをジムに通うメンバーで共に共有しみんなで成し遂げる一体感が常にあるからです。

そしてHQもレベル1のセミナーでもコミュニティは財産だと言わんばかりに強調して指導してくれます。

この大切なコミュニティや仲間意識がクロスフィットの競技性やフィットネスの方法論である前に社会的なコミュニティであり、醍醐味の一つです。こういった
言葉を強調していた団体及び企業であるからこそ、前CEOの発言はアフィリエイト、アスリートそして最も大切としてきたコミュニティを失望させました。

日本人の感覚としては、『散々謝ったでしょ、もう許してやってよ。』とか思うかもしれませんが欧米諸国では、クロスフィットの看板をつけることは人種差別に加担している団体だと過激なコメントをする人や組織から攻撃される可能性もあります。とても難しい問題なので様々な意見が出ているようです。

5.アフィリエイトから脱退しているジムの数

上記のCrossFitに関する様々な情報、大会の順位やその他、新着情報を発信しているMorning Chalk Upというクロスフィットに特化したニュースサイトによると脱退したジムの数は既に1000件を超えたそうです。アメリカを中心に様々な議論がzoom会議やSNS、そのスレッドを通して巻き起こっています。いくつか抜粋します。

『脱退する人はHQで働く社員の生活を考えたことあるの?』
『HQで働く人と中には素晴らしい人たちがたくさんいる。ある一人の男の言動のせいだけ決めずにこれから何が起こるかを待ってみよう。』
この様にまだ動きを待つジムのオーナーもいれば、一方で既にクロスフィットの看板なしでもコーチングやプログラミングの質、ジムのブランドで十分に生き残れるジムは脱退を決意しているところもある様です。

まだ終わりません...
グラスマン爺さん、いっぱいやらかしております。

6.Eメール事件『お前は決めつける人間だ』by グレッグ

9年間もアフィリエイトを更新してくれていたジムのオーナーにとてもひどい内容を返信しています。このオーナーはHQのスタッフに脱退する理由を明確に書きました。その内容を要約したものです。

『価値を失っている一貫性のないブランドのアイデンティティ、リーダーシップが最も重要なときにリーダーシップが欠如していること。
ジョージフロイドさんの事件は、私たちの国を大規模な不安に陥れました。 CrossFitは私が知る限り、立場をとり、声明を出し、社会正義全般に対するサポートを示し、黒人差別問題に関して発言やサポートに失敗した唯一の主要なブランド及び企業です。』

まだまだ内容はあるのですが詳しく知りたい方上記のサイトに飛んで詳しく読んでみてください。

この昔からの顧客ともいえるお客様(この感覚は少なくともないと思いますが。。)とも呼べるオーナーに対しグレッグ前CEOは返信しました。

『私はコロナによる隔離(家にいること)があんたの精神の健康に影響を与えたと心から思っている。あんたはオレらを人種差別主義者としてブランド化することにベストを尽くしているね。クソだね!!!! わかるか?あんたは自分の政治を勝手に持ち込みオレが悪者かの様にしたいだけだろ。あんたは恥だ!!!」

このメールは本当に多くのコミュニティやアスリート、そしてスポンサーたちをがっかりさせた様です。

7.クロスフィット社の元従業員の告白

アンディ・スタンプ氏は2007年から2014年までHQで勤務していた経験があり、L1セミナーのインストラクターとフロウマスター、経営管理に関わる部署、そしてリーボック社との関係を構築する取引役、そしてグラスマン前CEOのプライベートジェットの手配等のオペレーション業務など数々のキャリアを経験した元社員です。

彼は自身のpodcast及びYoutubeチャンネルで下記の様に何が起きていたかを説明しました。

『HQ内でグラスマンが起こしてきたことはセクハラや従業員が恐怖を感じる行動を数々と行なってきた。現在、HQで働くスタッフの皆さん、あなたがこれまでに何度も社内で見てきたことに関して、自分の母親、妻、娘、孫が同じことをされたこととして考えてみてください。それでも黙っていられるんですか?
最後ですが、もしもあなたたちが私をアタックするというのなら、はっきりさせておきます。HQが私を起訴するかもしれませんね。受け入れます。私は自分が守るべきと信じているもののためにこのクソ野郎をグラウンドに焼きはらい、前進するために自分の道徳にかけて一歩も動き気はない(信念を曲げる気はないというニュアンス?)。』

8.この投稿の終わりに

まだまだこれからどうなっていくのが分かりませんがアメリカではクロスフィットがどうなっているかを皆さんに伝えたく、まとめさせていただきました。
アメリカ在住の角谷 剛さんというクロスフィットの情報を現地から届けている方のブログもありますので掲載させていただきます。

私もメディアから情報を仕入れたものを要約しこちらでまとめているので、
全てが正しいとは限りませんのでご理解いただければ幸いです。

個人的にはカストロCEO体制でなんとかこの危機から信頼を取り戻し愛される団体に返り咲いて欲しいです。もっと日本でも認知されるフィットネススポーツ、多くの方に胸はってお勧めできる方法論であり、スポーツだとこれまで4年間継続からその様に感じています。

仮にこの先クロスフィットという名前がなくなったとしても、この方法論を伝えることができるアスリート、コーチ陣、そしてコミュニティが世界中にいます。

明るい内容をお届けできる日が来るのを楽しみにしています。僕たちは僕たちにできることを日々継続して心も身体も強く日々トレーニングに励んでいきましょう。皆さんもフィットネスやスポーツを楽しんでください。ここまで読んでいただきありがとうございました。

またアップデートがあれば投稿します。

ブログを始めました。こちらもチェックしてくださいね。

※本記事は2020年に発生した情報をまとめたものです。

GK KENJI





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