オートクチュールの王とDRIES VAN NOTEN
ドリスヴァンノッテンはアントワープ6の中の1人である。
多くの人が知っている話だと思うが、知らない人のためにも簡単におさらいしたい。
ヴァンノッテンは、クチュリエの父と祖父を持つベルギー生まれ。父はアントワープ郊外にブティックをオープンしていた。ヴァンノッテンはここで経営を学んだと言われている。
父が出張で多くのランウェイをミラノやパリに見に行くのを同行していたヴァンノッテンは次第にファッションにのめり込んで行く。
ドリスヴァンノッテンの服作り
ヴァンノッテンが服作りにおいて最も大切にすることはeclecticism(折衷的)な考え方である。
これは、異なる思想哲学の真理を抽出し、新しい体型を作り出すということである。
ヴァンノッテンはこれに対して「嫌いのもの同士を掛け合わせることもある」としていて、彼はミクスチャーの天才であると言える。
ヴァンノッテンは色彩、ファブリック、オリエント、エスニック、ボヘミアンでロマンチックな印象で知られている。
映画でも映されていたが、ファブリックと色彩は彼の身の回りのものから影響を受けている。花柄で有名なデザインは彼の所有している自宅の広大な庭の数十種類もの、花々から着想を得ている。自らが育てたものを毎シーズンプリントとして服に落とし込んでおり、
さらにこだわりの刺繍は、古くからインドの職人達に全て手作業で外注している。
18awでの幾何学模様やグラフィックはヴァンノッテンがインスタグラムで無名のグラフィックデザイナーを探していたところ見つかったらしく、彼のコラボアイテムは無名のアーティストでもヴァンノッテン自身の美学に従いそれは体系化される。
音楽にも影響を受けており、若い時からグラムロックの持つパンクの攻撃性や暗闇に光る贅沢なドレスのような雰囲気に強く影響されていてラクロワとのコラボでそれが遺憾なく発揮されていることがわかる。
オートクチュールの王クリスチャンラクロワとのコラボ
20ssには1980年代当初オートクチュールの新たなキングと称されていた(当時のvogueの表紙)クリスチャンラクロワとタッグを組んでコレクション発表した。ヴァンノッテンはラクロワの自発的な創造性や物事を組み合わせる美学にとても感銘を受けており、このタッグが実現した。
クリスチャンラクロワのゴージャスでマキシマルな美しさとリアルクローズ向きな美学を兼ね揃えたドリスヴァンノッテンとの融合は現代の流行が捉えずらいミクスチャー文化において、より輝いて見えた。ソロでコレクションを行なっていた時よりヴァンノッテンの魅力が最大限生かされていた。今後このようにデュアルでデザイナーがタッグを組んで行うことでファッション業界の抱えている問題も少しは解決に向かえばと先日のドリスヴァンノッテンの書簡発表から感じた。
ごめんあそばせ
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