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Tポイントの衰退、Vポイント統合はなぜ起きたのか。[共通ポイント考察①]

こんにちは、GOEMONです。

「Tポイントカードはお持ちですか?」

昔はレジで毎回のように聞かれていたのに、最近は「"d"ポイントカード」か「楽天カード」、または「Pontaカード」の方が聞かれるようになったと感じませんか

TポイントとVポイント統合

CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のTポイントと三井住友FグループのVポイントが統合された後の名称が「Vポイント」に統一されることが決定しました。

昨年10月にTポイントとVポイントの統合が発表されていましたが、知名度の高い「Tポイント」ではなく「Vポイント」へ名称統一は意外でした。

今回のポイント統合は記事によると
・Tポイント:決済・金融サービスの連携
・Vポイント:知名度
といったそれぞれの課題を統合して補う
狙いがあるとのこと。

「そういえば最近Tポイントカードありますか?」と聞かれなくなったなと思い、今回はTポイントを含め、共通ポイントサービスを取り巻く現状などを調べてみました。

・Tポイント加盟店が減っているのはなぜ?
・共通ポイントと自社ポイントの違いは?
・共通ポイントを利用するメリットは?
といった疑問をお持ちの方はぜひご覧ください

Tポイントからマルチポイントへの移行

Tポイント加盟店の撤退相次ぐ

ここ数年、コンビニやスーパー、レストランチェーンで「Tポイントカードはお持ちですか?」と聞かれずに、"d"か"楽天"か"Ponta"を持っているか聞かれることが多くなった気がしませんか?

そう感じている方の多くは、ファミマ、すかいらーくグループのレストラン、ドトールコーヒーなどを普段遣いしていたかもしれません。

2019年4月にファミリーマートがそれまでTポイントカードのみを利用していましたが、楽天ポイント、dポイントの利用も可能に、マルチポイントに移行することを発表しました。

ほぼ同時にドトールコーヒーもTポイントの取扱の終了を発表し、6月からdポイントの導入。2020年にはすかいらーくグループもマルチポイントに移行すると発表し、翌年より楽天ポイントなどの取扱を開始しています。

さらに最近では2022年4月からYahoo!を含むソフトバンクグループでの利用も終了となりました。

Tポイント撤退の大きな理由①

ここまでを読んだだけでも大手加盟店のTポイント撤退の主な理由の1つは「マルチポイント化」であると想像できるでしょう。

マルチポイント:楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントなど複数の共通ポイントを採用

ユーザー側は訪れた店がたくさんのポイントサービスに対応してくれていれば、利便性が高まります。

あっちの店はTポイント、こっちの店は楽天ポイント、あそこはdポイントと違うと、ポイントサービスを複数登録して管理する手間がかかります。できれば1つのポイントサービスが全ての店で使えると楽ですよね。

ユーザー側の利便性を考慮すると、加盟店側はTポイントだけでなく、楽天ポイントやdポイントも導入したくなるのは当然ですね。

では、なぜ今までそうしていなかったのでしょうか?答えは「独占契約」があったから、ということになりますが、その背景もおさらいします。

共通ポイント先駆けのTポイントと拡大戦略

Tポイントは共通ポイントサービスの先駆けとして2003年から開始し、加盟店と利用者を急速に伸ばしました。

その際の成長戦略の1つに「1業種1社」の方針がありました。

コンビニなら「ファミマ」、レストランチェーンなら「すかいらーくグループ」、携帯キャリアなら「ソフトバンク」、ハンバーガーなら「ロッテリア」のようなイメージです。

※例外有。しかし、Tポイント公式の「お店一覧」を見ると、なんとなく「1業種1社」方針がわかるかと思います。

なぜそのような制限を自ら課したのかを推察すると、前述の独占契約を結ぶためだったのでしょう。ドトールコーヒーやファミマでは導入当初から共通ポイントはTポイントのみ採用されていました。

CCC(Tポイント)側からは「コンビニ(カフェ)」は「ファミマ(ドトール)」だけにする代わりに、そちらもポイントは「Tポイント」だけという独占契約を結びたかったわけです。

今ではこれだけ共通ポイントサービスが乱立してるので、そのような契約は微妙に見えますが、共通ポイントが一般的でない当時、Tポイント側はたくさんの加盟店が欲しく、加盟店側も勢いに乗る「Tポイントが使える店」として加わりたいという思惑が一致していたのでしょう。

その戦略が功を奏してTポイントは国内共通ポイントで地位を築きました。

しかし、時代の変化と共に加盟店側はTポイントに1業種1社として自社のみに絞って貰うメリットより、共通ポイントをTポイント1社に限定するデメリットの方が大きくなってしまったのです。

時代の変化と主に大きく変わったことは3点、
・競合する共通ポイントサービスの台頭
・現物のカードではなくアプリによる管理方法の誕生
・決済機能と共通ポイントの連携

これらの変化により、Tポイントとの契約は時代遅れとなってしまいドトールやファミマを始めとして撤退が相次いでしまいました。

独占契約を終了した後、他のポイントと併用が可能な新たな契約を結んでいるようなパターンもあれば、ドトールのように完全にTポイントを廃止していることもあります。しかし基本的には自社サービスを始めたり、契約更新と思われるタイミングで現行の独占契約は変更される場合は多いように見受けられます。

こうした流れを受けて、CCC(Tポイント)は歯止めをかけ、競合サービスに立ち向かうべく、三井住友FグループのVポイントと統合し、改善を図ろうとしているのが今というわけですね。

次回は上記で紹介した、時代の変化と共に大きく変わった3点について深掘りし、近年登場した新しい共通ポイントとTポイントの違いや、アプリの誕生でどのような変化が起きているのか、などを紹介します。

よろしければ、フォローなどなどをして次回作も読んで頂けると幸いです。

後編を書きました。

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