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あなたにとっての『いい人』って?

横浜市神奈川区のお宅にお邪魔した本社査定員からのエピソードです。

今までも他社さんで買取に来てもらったことはある、というお客様でした。
ただ、嫌な思い出というか、いわゆる押し買い、「売ってくれ売ってくれ」としつこく粘られ、半ば無理やりお金を渡され、お品物を持って行かれた経験をされたようでした。買取業者にはあまりよい印象がない、とのこと。
それでもまた買取を呼ばれるには理由がありました。

貴金属、宝石などお嬢様に譲りたいけど、お嬢様が2人おられる。
種類が違うものがあっても貴金属や宝石なので2つにパカっと分ける
というわけにはいきません。

そこまで聞いて、私はふと、思い出しました。あるお宝鑑定のTV番組でした。姉妹にそれぞれ別の絵をお父様が残されたのですが、
姉妹がそろって絵を鑑定してもらったところ、姉の絵は20万、妹の絵は800万!姉は2つを売って現金を山分け、を提案。しかし妹はこれは私の絵だからなんで山分けにしなければならないのか?と。番組は暗雲が立ち込めていました。しかしそのお父様もなんでそんなに価値が違うものをそれぞれ残されてのでしょうか(笑)いや、当時は同じくらいの価値だったのかもしれませんね。時とともに需要は変わりますので。しかしあれは惨い。結局その時は売らずに持ち帰っておられました。その後どうなったかはわかりませんが・・・。

話は戻りますが、案の定、買取に呼んでくださったお客様は、その心配をされていたようでした。お嬢様方に要らぬ争いごとを残すのはやはりお嫌だったようです。結果はどうなったのか?
「お兄さん、いい人だから売るわ」と、布団乾燥機やガラスケース入りのお人形とともに、ダイヤ0.8カラット、金20Gを売って下さった、とのこと。

この『いい人』、というのも線引きが難しいですね。
そのお客様は、実はいっぱいお話を聞いてほしかったのだそうです。

目の前のお客様が、買取を通して本当は何を満されたいのか?
そのご要望は100人いれば100通りです。査定員はお品物に対する目利き
だけではなく、声にならないご要望を察知する能力にも長けています。(と私は思っています)言わなくても想いをわかってくれた、1時間半もお話をただ聞いてくれた。だからこのお客様にとっては「いい人」だったのでしょう。

・断捨離したいけど重たいものを、暑い中売りに行くのは嫌!な方なのか?
・長い間人と話していないので誰か話し相手になってほしい!方なのか?
・ご主人に隠してこっそり買ったものを秘密裏に処分されたい方なのか?(結構あるあるです💦)

これからますます暑くなってまいりますが、今日も査定員は、ドアtoドアでお客様のさまざまな課題解決に伺っております。

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