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田んぼチーム/詩と朗読 poetry night 第62夜

その端っこに
鷺が一羽
踏ん張って立ち
当然のように皆の話を聞いていた

🌿「詩と朗読 poetry night」
第62夜は「田んぼチーム」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「田んぼチーム」

週末の穀倉地帯は忙しい
田んぼの一角で人々が
それぞれに腕を組み
腰に手をあて
分担やら手順やらを話し合っている

その端っこに
鷺が一羽
足を踏ん張って立ち
当然のように皆の話を聞いていた

人々は誰も振り返らない
鷺の存在を分かっていながら
特に気にはしていないようだ

春には田起こしのトラクター 
梅雨前には代掻きロータリーの
後をついて歩き
そしてこの秋には
刈り取られた稲の根元
コンバインに踏まれた地面から
虫やカエルが出てくるのを
ついばむという
ミッションを遂行する彼は
一家総出の
田んぼチームの一員なのかもしれない

見渡すかぎり黄金色の田んぼ
まだ暑さを残した風が
重く垂れた稲穂を揺らし
空は高い高い
今日は稲刈り日和だ

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