私の海外体験(ドイツ編)

今回は私に大きな影響を与えた海外体験について書きます。

大学に進学したのち、夏休みを利用して、ドイツの北東部の農村に、2週間国際ボランティアとして行きました。2003年の夏のことです。

ビオランドという、有機野菜を作っている施設に寝泊まりしながら農業体験をしたのです。

実に10カ国から来た若者15人が、2週間共同生活を送りました。
ドイツ、フランス、スペイン、チェコ、スロバキア、イタリア、韓国、日本、ブルガリア、ハンガリーから来た15人です。

この体験が、めちゃめちゃ楽しかった。
公用語は英語で、みんな外国語だから、一生懸命。
夜ご飯は、各国の出身者が持ち回りで作る。(朝と昼は出してもらえる。)
しかし、プライベートルームは一切なし、各ベッドだけ。
広いお部屋にベッドがずらっと並んでて、そこで寝泊まり(一応ゆるく男女は別れてた)。

その、ドイツ北東部のロールスドルフという名だったと思う村は、ベルリンから北へ行くこと70キロくらい、旧東ドイツでした。
もう、建物がどこまで行っても全部一緒。
道も、一本道がずーっと続いていて、まるでおとぎ話の世界。
日本と違いすぎる景色に衝撃を受けながらも、鉄道の渋さに痺れたりしていました。

ヨーロッパの子達は、アジアの参加者よりも、ずっと安価な参加費で来ていました。彼らはアジアに行きたいけど、お金がなく行かれないから、仕方なく近いヨーロッパのこの村に来たと言って、質問ぜめにされました。
私はその異文化コミュニケーションが、とてもとても楽しかった。
ただただ、多国籍のみんなで集まって夏休みを一緒に過ごしたってことなんだけど、もう何もかもが新鮮でした。

私が持ってきた目覚まし時計が早朝から鳴り出し、気付かずに眠っていた私は、ドイツの女の子に怒り狂いながら起こされたり。
日本料理の担当で、張り切って鳥を一羽解体して肉じゃがを始め料理を作ったのに、全然食べてもらえなかったり。
韓国の男の子が、ドリンクを持ってきて、「飲む人?」と聞いた時、ドイツの女の子が、「人にまず聞く人初めて見た」って言ったり。
6年付き合ってるスペイン人カップルになれそめを聞いて、憧れたり。
ブルガリアの男の子がフランスの女の子を好きになっちゃってみんなで行く末を微笑ましく眺めていたり。
外でみんなでものすごく綺麗な天の川を眺めたり。
片道6キロ離れたスーパーに、自転車でみんなで買い出し行ったり。
玉ねぎの選別したり。ハーブを採ったり。じゃがいも収穫したり。
豚の丸焼きが焚き火で焼かれてたけど、お祭りのためのもので食べられなかったり。
週末遊びに行ったベルリンで、大麻を合法化しようという活動の一環で、大麻フェスティバルが行われていたり。
ベルリンの夜に足を伸ばしたクラブで、渋いおじさんDJのかける音楽に、老若男女、車椅子の方までもがとっても楽しくリズムに乗っていたり。

そんなこんなな思い出のオンパレード。

最後、少し恥じている思い出をひとつ。お土産を入れるスペースがスーツケースになく、持ってきた古いタオルやTシャツは、処分することにしたのですが。みんなにずらっと囲まれて、「まだ使えるのに、どうして捨てるの?」
説明したけどわかってもらえず、まだ使えるならと必要な人がもらってくれました。日本代表なのに使い捨てる人たちと思われちゃったかな…。恥ずかしいです。

この旅で、私は価値観がガラリと変わりました。
ギャグを思い切って言って無視されるのは、恥ずかしいことじゃない、むしろ讃えられるべきことだ!ユーモアのセンスは世界共通のパスポート。人と違うってなんて素晴らしい個性だろう。世界には、まだまだ未知の世界が拡がっている。もっともっといろんなところに行って、いろんな体験をしてみたい!

この旅は今でも私の大切な財産です。


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