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香川 隆登/GOCKO
2021年6月26日 00:07
『ジ・エンド・オブ・ケイオス・フランス・レボリューション』とかくこの世はややこしい。全ての人間は、あらゆる時代の潮流に飲み込まれ、幾度となく絶望と希望を繰り返してきた。それでも人は生きていく。彼らを迎える数奇な運命は、決しておとぎ話の世界に限られたものではないだろう。人間が一生を全うするということは、それだけで業が深く、罪深い。 全ての人間は、あらゆる思惑に苛まれ、幾度となく誤解を
2021年5月29日 00:30
『キレイキレイしましょ』世界が浄化されている。COVID-19以前以降に限らず、世界は浄化を辿る一方である。街は浄化され人間も浄化されている。それが絶対的な"善き事"として世間では流布されている。人間も世界も、決してそんな善にだけ存在する様な都合の良い生き物ではない。第四部では悪党テナルディエの息子、ガヴローシュが大活躍する。路上で暮らし、隠語を巧みにこなす彼もまた、立派な悪党だ。だが
2021年4月24日 00:46
『イニシエーション』生きる事は別れと共にある。あらゆる別れが人生にはあるが、親子間の別れは自分の思想や存在そのものに影響を与えかねない重大な事件だ。マリユスもまた、父の死を機に帝政主義へ、そして共和主義へと目覚めていく。父の死をきっかけに、マリユスの物語は動き出す。生前は何の接点も無く、父の死に際に立ち合った時でさえなんの感慨も持たなかったマリユスだが、後にその思いは畏敬の念へと変わり、崇拝す
2021年3月27日 00:52
『贖罪とは』そもそもジャン・ヴァルジャンの犯した罪はたった一片のパンを盗んだことに過ぎなかった。何度も脱獄を繰り返したとはいえ、市長になり、町を復興させ、自らの罪を告白した時点で、その罪は十分過ぎるほどに贖われているのではないか。しかし、彼は再び脱獄をする。一人の女の子を助ける為に、そして、自分自身を助ける為に。脱獄は罪だが、彼は罪を償う為に脱獄をした。何故なら彼の贖罪はもはや法を超え
2021年2月27日 00:35
正義と悪、この最も手垢にまみれた二項対立を人間は超えることができるのだろうか。正義と悪、一口に言っても様々なグラデーションがある。ささやかな正義が人を救うこともあれば、絶対的な正義が人をこれ以上なく損なうこともある。ささやかな悪が人をこれ以上なく損なうこともあれば、絶対的な悪が人を救うこともある。子供を置き去りにし、髪を売り、歯を売り、そして体を売る哀れなファンチーヌ。彼女はどこで道を踏み