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菊地雅章 ~サイン入りレコードA to Z (Donuts版) 第14回 MASABUMI KIKUCHI

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。

2017年12月5日から2020年3月31日まで『ドーナツマガジン』というレコード専門ウェブサイトに掲載された『サイン入りレコードA to Z』という連載コラムを加筆修正して再掲したものです。

レコード&昭和プロレス愛好家のゴベと申します。
今回は日本のジャズを語る上で、絶対に避けて通ることができない偉大なミュージシャンです。

第14回 MASABUMI KIKUCHI

(2018年3月20日公開記事を再編)

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菊地雅章
『SUSTO』 LP

菊地雅章
2000年7月4日 @新宿ピットイン

たった一度だけですが、菊地雅章さんの演奏を生で聴いたことがあります。

1st.セット終了後の休憩時間。菊地さんがお一人でステージのそばにいたので、レコードにサインを入れていただきました。
持参したのは『SUSTO』。初めて買った菊地さんのLPです。

その際に交わした菊地さんとの会話は、その後の私にとって非常に重要なものとなりました。

私「レスリングシューズを履いていらっしゃるんですね」

菊地さん「よく気がついたな! ペダルを踏み込む感触が良いんだよ。ところでにいちゃん、何かやってるだろ?」

私「あ、格闘技を少し習ってまして」

菊地さん「ジャズと格闘競技は共通するものがあるんだよ。にいちゃんも頑張れよ」


みたいな感じで。
格闘系の競技はお好きとのことで、その後も10分以上お話しさせていただきました。

高校の柔道部を引退してから、まともに運動していなかった私が、遊び感覚で格闘技を習い始めたのが20代後半。
ちょうどその頃、一緒に練習している仲間がアマチュアの総合格闘技や柔術の大会に出場し始め、自分も試合を目指すべきなのか迷っていました。
尊敬する菊地さんの言葉と、この日の熱い演奏に背中を押され、試合を想定した本格的な練習に取り組むことを決意。
翌年、13年振りに道着を着て柔術の大会に出場。それまで以上に柔術にのめり込んだ私は、頻繁に試合に出るようになりました。

柔術が生活の中心になり、ライブハウスから遠ざかっていた頃、菊地さんが病と闘っていることを知りました。
あの日の力強い演奏を思い出し、きっとまた元気な姿を見せてくれるに違いないと思っていたのですが・・・。


2015年7月6日(現地時間)
菊地さんはニューヨークの病院で帰らぬ人となりました。享年75歳。


2015年7月31日
ピットイン50周年記念イベントの一環として開催された『本田珠也 3DAYS』。
最終日の第2部が急遽、菊地さんの追悼セッションになったことを公演直前に知り、慌ててチケットを確保。予想通り超満員でした。

[1st. set]
本田珠也 (ds)
日野皓正 (tp)

[2nd. set] 『WE LOVE POO』菊地雅章 追悼セッション
本田珠也 (ds)
日野皓正 (tp)
峰厚介 (ts)
杉本智和 (b)
須川崇志 (b)
佐藤允彦 (p)

1. Drizzling Rain
2. Little Abi
3. 'Round Midnight
4. Dancing Mist

[encore]
1. 鳥の歌 (本田、日野、佐藤のトリオ)

帰宅後、菊地さんのレコードを引っ張り出して片っ端からターンテーブルに。"Dancing Mist"のイントロで泣きました。

謹んで哀悼の意を表します。菊地さん、ありがとうございました。


【追記】

菊地雅章さんのお嬢さまから許可をいただき、2本の動画を紹介させていただきます。



2本目の演奏は、菊地さんがどの作品よりも気に入っていたそうです。


菊地さんのお嬢さまからプレゼントしていただいたポストカードも掲載。
絵も写真も素敵なんですよね。
近い将来、彼女の個展が開かれる日が来ることを心待ちにしてます。

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