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マッチョ・ドラゴン! 炎の飛龍! 藤波辰爾
※無料で全文読める「投げ銭」スタイルのノートです。
2022年5月19日
コロナ隔離期間中に痛めた腰の診察を終え、数週間ぶりに新宿のレコード屋をチェック。
ディスクユニオンの各店舗(ユニオンレコード、ソウル・ダンスミュージックショップ、ジャズ館、日本のロック・インディーズ館、昭和歌謡館、中古センター)をまわって、LPを2枚購入。
HMVに移動して、各ジャンルの新入荷をチェックしてから7インチのコーナーをのぞくと、面出しされていたあるレコードが目に留まった。
値段を見てびっくり!
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プロレスラーの藤波辰巳(現・藤波辰爾)が歌うシングル盤が、なんと13200円!
A面は、藤波の入場テーマ曲としてインスト版が使用されていた「マッチョ・ドラゴン」。
レコードは、藤波の歌入り。
「テレビ中継のない地方大会では、ヴォーカル入り版が使用されたことがある」という説がある。
そしてB面は、テレビ朝日の『パックンたまご』という子供番組で使用された「ドラゴン体操」。
で、そのことをツイートしたら、反響があった。
気は確か? pic.twitter.com/B6dpERJIfz
— 五辺宏明 (@gobe_vinyl) May 19, 2022
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いわゆる「バズってる」状態には程遠いが、個人的には過去最高の反応をいただいたのである。
(そんなつもりじゃなかったけど)
ただ、ひとつだけ言っておくと、ツイートしたのは値付けがおかしいと思ったらからであって、断じて藤波辰爾選手をバカにしているわけではない。
子供の頃から一番好きな日本人レスラーはドラゴン藤波。ぶっちぎりで。
サインをもらったこともあるし、『マッチョ・ドラゴン』以外のレコードも持っている。
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『マッチョ・ドラゴン / ドラゴン体操』は、発売当時に定価(700円)で購入している。
藤波が歌っているのは「ドラゴン体操」だけで、A面には入場の際に使用されていたインスト版が入っていると思っていたので、レコードに針を落とし、歌入りの「マッチョ・ドラゴン」が流れてきたときは、心底がっかりした。
中学生だった私には、700円でも大きな出費だったので。
最初に買ったものは早々に手放してしまったが、10年くらい前に中古レコード屋で『マッチョ・ドラゴン / ドラゴン体操』を見つけ、買い直してしまった。500円くらいだった気がする。
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藤波辰巳
『マッチョ・ドラゴン / ドラゴン体操』 7"
(7DX 1391) 1985
ちなみに「マッチョドラゴン」は、Eddy Grantが1984年に発表したシングル「Boys in the Street」のカバー。
この12インチは100円(税抜)で買った。
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EDDY GRANT
『Boys in the Street』 12"
(ICET 62) 1984
ということで、DJをやらせていただく際に、この2曲をつなぐこともある。
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藤波のテーマ曲といえば、こちらも欠かせない。
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JOE
『ドラゴン・スープレックス(ドラゴン藤波のテーマ)』 promo 7"
(06SP 222) 1978
藤波といえば、やはりこの曲。
約30年前に西新宿の中古レコード屋で買った『ドラゴン・スープレックス』の見本盤7インチ。
宣材のチラシが付いていた。
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1978年1月に、ニューヨークでWWWF(現・WWE)ジュニアヘビー級王座を獲得して凱旋帰国を果たし、ドラゴン・ブームを巻き起こしたジュニアヘビー級時代の藤波に心酔していた。
小学校時代、国語の作文の授業で「尊敬する人」というお題が出たとき、迷うことなく藤波について書くことを選んだ。
クラスメイトのほとんどが、両親のどちらかについて書いた作文を読み上げる中、私は「藤波がいかに素晴らしいレスラーであるか」ということを力説したのである。授業中に。
(両親に悪いことをしたなぁ・・・と、今は反省している)
・格闘技経験のないまま日本プロレスに入門した藤波が、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンという大舞台に出場したこと。そして誰も見たことがないドラゴン・スープレックスという新技でカルロス・ホセ・エストラーダを破り、WWWFジュニアヘビー級王者になったこと。
・初めてドラゴン・ロケットを見て「場外に飛んでる!!!」と衝撃を受けたこと
・打点の高いドロップキックの美しさ。
・・・といった感じの内容だったことを今でも覚えている。
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「ドラゴン・スープレックス」は、ジュニアヘビー級時代とヘビー級時代でバージョンが異なる。
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V.A.
『プロレス・スーパー・ファイターのテーマ』 LP
(SKA-257) 1979
1979年に発売された『プロレス・スーパー・ファイターのテーマ』。
収録曲の多くがカバーバージョンで、「ドラゴン・スープレックス」もカバー。
しかし、藤波がヘビー級に転向した際に、こちらのバージョンが使用されるようになった。
皆さんが馴染みがあるのは、こちらだと思う。
なお、こちらのヘビー級時代の「ドラゴン・スープレックス」は、プロレス実況アナウンサーの清野茂樹氏が監修した7インチで聴くことができる。
『マッチョ・ドラゴン』をバカげた値段で買うよりも、定価で買えるこちらをゲットすることをお勧めする。
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V.A.
『1000のプロレスレコードを持つ男 ep.名勝負数え唄編』 7"
(HR7S060) 2017
藤波関連のレコードを、もう1枚紹介しておこう。
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藤波辰巳
『Go Go ドラゴン』LP
(28PL-26) 1982
1982年に発売された『Go Go ドラゴン』。
「飛龍十番勝負」の初戦が1982年1月なので、藤波がヘビー級に転向した年に発売されたレコードということになる。
アルバムに先がけて発売されたデビューシングル『Go Go ドラゴン / 戦いの後で』(1981年)の2曲を含むヴォーカル曲と、4曲のインストで構成された藤波辰巳の1stアルバム。
世界最大の音楽データベースサイトとして知られるDiscogsにも掲載されていないので、ライナーの曲名が記載されている部分を載せておく。
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シングルになった2曲の作詞作曲を手掛けているのは『タイムボカン』シリーズでお馴染みの山本正之。
推薦曲はB-2「闘魂(インストルメンタル)」。
A-3「飛竜のテーマ(インストルメンタル)」も、なかなか良い。
* * *
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例のツイートに対する返信や引用ツイートの通知が頻繁にくるため、このところ藤波のことばかり考えていた。
ということで、藤波の名勝負をDVDで観戦。
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改めて、藤波辰爾というレスラーのテクニックに舌を巻いた。
個人的な藤波の名勝負トップ3。
①
1985年9月19日 東京体育館
アントニオ猪木 vs 藤波辰巳
②
1985年12月12日 宮城県スポーツセンター
藤波辰巳&木村健吾 vs アントニオ猪木&坂口征二
③
1978年1月23日 マジソン・スクエア・ガーデン
藤波辰巳 vs カルロス・ホセ・エストラーダ
①②は藤波のみならず、これまでに観たプロレスのベストバウト1位と2位。
この2戦はセットと考えているので、いつも続けて観ている。
レフェリーストップで敗れた9月のシングルマッチから3ヶ月後、初めて猪木から3カウントを奪うというドラマに、何度観ても目頭が熱くなる。
ニューヨークのMSGでベルトを巻き、一夜にしてスターダムにのし上がった③も、藤波を語る上で外せない歴史的名勝負である。
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