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人に成るということ

日本では現在、18歳が成人ということになっている。酒や煙草を始められる訳では無いのであまり実感は無いが、クレジットカード等を親の許可なしに作ることができる。

大雑把に言えば成人というのは大人として様々な契約を1人で結べるというような意味合いで使われている言葉だ。

しかし筆者はこの言葉に違和感を覚えている。

成人という言葉は「人に成る」と書く。

つまり裏を返せば成人年齢以前は、人ではないという事になってしまう。

これはかなりおかしい。普通に考えれば犬は生まれた時から犬だし、猫も産まれた時から猫。人間も同じく哺乳類であるため、生まれた瞬間から人間である。

カエルやサンショウウオのように、明らかに産まれた時と成体で特性が変わる場合はともかく、人間はそうでは無い。

成体になる事はあれど、途中から人間に変わるということはない。

そもそも成体の概念も人間と他の動物とでは異なる。生体というのは言ってしまえば、生殖が可能になったかどうかだ。

人間だって法律で縛られているだけで、別に小学生くらいの年齢でも生殖準備が整っている人もちらほらいる。

しかし経済的観点やリスクなどから結婚年齢は18歳と制定されている。

生き物として成体であるのに、数年は人として認められず成人になった瞬間にお祝いする。

よく良く考えれば生き物として不気味な文化であるのに、誰も疑問を持たない。人として成っていない者(未成年)と呼ばれても誰も不快に感じていない。

刷り込まれた文化というのはなんとも恐ろしいものである。

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