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海外トレイルレースにおける保険はエントリー前に確認しておく

とあるトレイルランナーが TransLantau by UTMB(以下、TransLantau)に出場して、そのときに大怪我をして病院送りになったそうだが、そのときにオーガナイザーが加入していた保険ではランナーの怪我に対する保障が無かったので、この件で X 上で話題になったので、私の知見を書いておきます。

国内外に関わらずトレイルレースを出場すると怪我をしたり、もしくはコース上の物品を破損させたりするトラブルは少なからず発生してしまう。このようなトラブル対応や賠償請求に対応するために、大会側は何らかの保険に加入をしていることがほとんどではないだろうか。

しかしながら、大会によって契約している保険の種類が異なっていたり、カバーできるトラブル内容が異なるので、事前に保障内容に関しては確認しておいた方が良いだろう。


TransLantau のケース

多くの大会では、どのような保険に加入しているかは公式 Web サイトに掲載されているので確認しましょう。今回 X 上で話題になった TransLantau の場合は、Regulation のページに記載がある。

以下のように記載がある。

INSURANCE(TransLantau)

私は損害保険の専門家ではないので、ChatGPT さんに聞いてみました(参考程度に捉えてください)

保険内容の説明(ChatGPT による解説)

  1. 保険の対象者:保険は、イベントを主催する組織、その従業員、そして参加者をカバーしています。つまり、これらのグループが第三者に対して何らかの損害を与えた場合、この保険がその責任をカバーします。

  2. 保険の期間:この保険は、イベントの期間中のみ有効です。イベント前後の期間に起こる事故や損害は、この保険の範囲外になる可能性があります。

  3. 保険の範囲:「民事責任保険」と呼ばれるこのタイプの保険は、保険対象者が第三者に対して法的に責任を負う場合の「金銭的な結果」を保証します。これには、物理的な損害(例えば、物の破損や人の怪我)や、その他の種類の損害(例えば、名誉毀損)が含まれる場合があります。

この保険は、イベント中に発生する予期せぬ事故や問題による潜在的な金銭的リスクを軽減するための重要な手段です。ただし、具体的な保証内容や除外事項については、保険契約の詳細を確認する必要があります。

以上が、ChatGPT による解説でした。

想定されるものとしては、ランナーが走っているときにハイカーと衝突して怪我をさせたり、ボランティアスタッフの人が物品を車で輸送しているときに事故を起こして、民家の塀や壁を破損させてしまったといったことが保障するものと考えられます、

ただし、この内容ですと、ランナー自身に対する怪我や病気、そして遭難時における救助活動に対する保障は含まれていません。この場合、万が一何らかのトラブルが発生した場合は、自費もしくはランナー個人が加入する保険などでカバーする必要性があります。

結局は自分の身は自分で守る必要がある

海外旅行する際は、自分で自分の身を守る必要性があるが、これは海外トレイルレースに参加するときでも同じことが言える。大会がカバーしている保障内容を事前に確認することはもちろんだが、大会期間外の怪我や保障を考えると海外旅行保険の加入などがあったほうが良いでしょう。

  • 海外旅行保険

  • ITRA の International Runner Insurance

海外旅行保険

海外旅行保険はスポットで加入できるものと、クレジットカード付帯にものがあるが、たいていスポーツ時における怪我は保障されている。

ただし、一部、危険な運動は対象外になっているので注意が必要です。トレイルランニングは危険な運動には当てはまらないので、一般的な海外旅行保険でもカバーはできるはずです。

「危険な運動」に当てはまらないスポーツや運動によるケガは、海外旅行保険に「治療・救援費用担保特約」をセットいただくことで補償されます。

■「危険な運動」に該当するもの 山岳登はん*1、リュージュ、ボブスレー、スケルトン、グライダーおよび飛行船を除く航空機操縦*2、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗、超軽量動力機*3搭乗、ジャイロプレーン搭乗その他これらに類する危険な運動

(*1)山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の用具を使用する登山のことをいいます。
(*2)航空機操縦は、お仕事での操縦を除きます。
(*3)超軽量動力機とは、モーターハンググライダー、マイクロライト機、ウルトラライト機等をいい、パラプレーン等のパラシュート型超軽量動力機を除きます。

■「危険な運動」によるケガの補償をご希望の場合は、海外旅行保険に「特別危険担保特約」をセットしてご契約ください。

https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/1835?site_domain=default(東京海上日動)

ただし、一般的な海外旅行保険ですと、山の中で遭難や滑落したときの救助費用(ヘリ救助)に関してはカバーしていないような文言の約款が一般的ですので、ここは別途カバーする必要性があります。多くの「遭難捜索費用特約」は、航空機や船舶が遭難時における捜索をメインにしているようです。


ITRA  の International Runner Insurance

私が海外トレイルレースの保険として利用しているのが、 ITRA メンバーが加入できる International Runner Insurance(以下、国際ランナー保険)です。

加入条件として ITRA のメンバーシップ(年間8ユーロ)であることが前提にはなっているが、これに加えて年間49ユーロで国際ランナー保険に加入ができます。よって、年間費用は56ユーロ(約9000円)。

保障内容としては、トレイルランニングのレースや練習時における怪我そして全世界で適用される保険です。

日本語訳:
ITRA会員であれば、ASSURINCOおよびMUTUAIDE ASSISTANCEとの提携により、ITRA国際ランナー保険に加入することができます。トレーニングおよび競技活動に適しています(下記の詳細リストをご覧ください)。

対象アクティビティ:ランニング、トレイルランニング、ハイキング、トレッキング、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスカントリースキー、スノーシューハイキング。

※ 登山、ロッククライミング、スキーツアー、ダウンヒルスキーは含まれない。
この保険は、スポーツ活動中の救助、本国送還、医療費(ヘリコプターによる救助を含む)を全世界で保証するものです。

年間保険料:49ユーロ/年

https://itra.run/Runners/AboutInsurance

1度でも海外レースを走る予定のある方は、加入しておいたほうが良いと思う。海外の保険会社なので、やり取りは英語になってしまうのは欠点ではあるが、トレイルランナーにマッチした保険ではないだろうか。

個人的には、これらの保険にお世話にならないことを願いたいが、万が一のために加入しておいて損はないとは思う。

最後に・・・(免責事項的なもの)

本ページは、私の個人の経験に基づいて書いたものなので、正確性を保証したものではありません。

各種保険の加入にあたっては、約款の内容を十分に理解した上で、ご不明な点があれば、保険会社/保険代理店などに問い合わせをして理解を深めてください。

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