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AIに恋をしたWebエンジニアがAIエンジニアになった話

こんにちは。
株式会社Goals AIチームマネージャーの山口です。

本記事では、Webエンジニアだった私が心機一転してAIエンジニアとして働くようになった経緯と、今現在の状況について書こうと思います。
特に、以下に該当する方へ向けて執筆しています。

  • 現在Webエンジニアで、AIに興味がある・AIエンジニアになりたい方

  • ずっとWebシステム開発をやっていたけど、このまま続けていくことに不安がある方

  • 社会実装に関心が高いAIエンジニアの方

もし1つでも心当たりがあれば、ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。

自己紹介

改めまして、山口と申します。
現在、AIチームでプレイングマネージャーとして働いています。
具体的には、プレイヤーとしてAIの精度改善やWebアプリの機能開発など、手を動かす系の仕事をする一方で、マネージャーとしてメンバーのジョブアサインや進捗管理、他チームとの調整などもしています。

メインのミッションはAIの精度改善です。
弊社のプロダクトであるHANZO 自動発注およびHANZO 人件費では、機械学習を活用して売上金額・来客数・メニュー販売数・食材消費量・必要人員数などを予測しております。
AIチームはその機械学習モデルの構築・検証から、実際にシステムに乗せるところを担当しています。
予測の精度はダイレクトにプロダクトの品質に影響するため、大変責任が重く、しかし、やりがいのある仕事だと感じています。

そんな私ですが、2年前はAIなんてさっぱり分からない状態でした。
勉強する気も、ましてやその道で生きていくなんて想像もしていませんでした。
しかし、そんな私の人生に大きな転機が訪れたのです。

AIエンジニアになるまで

前職での仕事

前職は飲食店をチェーン展開する企業で、本社の情報システム部に在籍してエンジニアとして働いていました。いわゆる社内SEです。
社内SEと言ってもちょっと特殊で、その会社は自分達でシステム開発をバリバリしており、私はシステム開発要員として採用され、自社Webシステムの開発・保守を行っていました。

様々な業務システムを担当しましたが、その中で一番の自信作は自動発注システムです。
過去データを元に、その日の発注数を算出して発注書を自動作成するというものです。

はい、そうです。HANZO 自動発注のようなものですね。
一番の違いは、AIの有無です。
私の開発した自動発注システムは、予測売上金額や発注数計算に使用する設定値などを発注数の計算に使用していましたが、それを人が考えて入力する必要がありました。
入力するにあたり、考えやすいようにサポートする機能をいくつも入れてはいましたが、あくまで人がやる仕事で、その分作業時間が必要だったり、システムを理解して使いこなすスキルも求められました。

それでも発注書に自動で発注数が入っているのは強力で、全ての食材の発注数を計算することに比べて、5〜8割は発注業務時間を短縮できていました。
「もうこれ、外販していいんじゃない?」などと、同僚や上司と真面目に話したぐらい、いいものを作ったと自負していました。

HANZOとの出会い

そんな有頂天だった当時の私でしたが、とあるきっかけで、HANZOを知る機会がありました。
株式会社インフォマート様のサービス導入を検討していた際に、業務提携していたGoalsのHANZO 自動発注を紹介して頂いたという経緯です。

その時の衝撃は今も忘れられません。

「HANZOくんが過去の売上データや天気の情報などを学習して、ここに予測した売上が表示されます」
「えっ!?」
「予測した売上を元に、必要になる食材の量を計算して、自動で発注数を入れてくれます」
「えええっ!!!?」

自分の力作である自動発注システムの機能が全部入っていて、さらに課題になっていた「人が考えて入力する」部分がAIを活用して自動になっていました。
「え!?AIってもうこんなに普通に業務システムに活用できちゃうものなの?」
伸びに伸びていた鼻がポッキリ折れて、目から鱗が剥がれ落ち、全身を電撃が走って、今思えばあれは恋でしたね。

そんなことがあり、これからのシステム開発はAIの活用が当たり前になると考えるようになりました。

AIを使えばもっともっと良いシステムが作れそう!
AIについてもっと知りたい!
AIエンジニアになりたい!

今思えば、恥ずかしいぐらいすごく単純な思考回路ですが、恋だったからしょうがないですね。

そして転職へ

元々手を動かすのが好きでしたが、当時39歳で開発するのも年齢的に厳しくなってきて、将来について見つめ直す時期でもありました。
このまま出世して管理職を目標にするか、生涯現役として開発を続けていくか、どちらも不安があり、魅力に欠け、どうするか答えを出せない状態でした。

そこに第3の選択肢が現れました。

AIエンジニアにジョブチェンジする

これだ!これしかない!
これなら、好きな開発が続けられるし、今後AIの需要が増えていくから食いっぱぐれないでしょ!
転職するにも、今ならまだギリ30代だし、なんとかなるんじゃないか!?
何より、今はもうAIのことしか考えられません!!!

のような感じで、転職活動を始めました。
はたから見ると無謀としか思えないのですが、恋なのでしょうがないですね。

当然世の中そんなに甘くなく、転職エージェントに話をしても何言ってんだろうこの人な反応。
そりゃそうです。
年齢も高いのに、未経験で、AIエンジニアという専門職で学びながら働きたいとか、難易度ハードモードもいいところです。

それでも簡単には諦められません。
だって恋ですから。

未経験だけど、資格を持っていれば可能性上がるんじゃないの?

そんな思いつきで、悪あがきを始めました。
自分もちゃんとAIについて勉強したかったのもあり、一般社団法人日本ディープラーニング協会のE資格の取得を目標にしました。
ただ、なんの下地もない自分がこの資格を取得するためには、ガッツリ勉強する時間が必要だと判断したので、以下のような計画を立てました。

  • 5月に一度退職

  • 3ヶ月でみっちり勉強して8月の試験に臨む

  • E資格を取ってから、改めて就職活動(40歳まで残り5ヶ月)

計画というか博打です。恋は盲目とはよく言ったものですね。

しかし、とても幸運なことに、退職後にGoalsの佐崎代表から一緒に働かないかと声をかけていただきました。
飲食業を知っているWebエンジニアだし、AIやりたいから転職しちゃうとかスタートアップ気質だし、ウチにピッタリだと。確かに!

恋した相手からアプローチされて断る理由はありません。
悩むふりだけして、OKしました。
本当に、あのHANZOとの出会いは、まさに運命だったのです。
(蛇足かもしれませんが、この後E資格は無事取得することができました)

AIエンジニアになったあと

仕事内容

Goalsに入社してからは私の希望通り、最初からAIエンジン周りを多く担当させてもらえました。
と言っても、精度向上というよりは、特定ケースでうまく動かないところを修正するなどでしたが、先輩方に教わりながら、そういった作業でコードを触ることで、どのような流れでAIに学習させ、予測結果をシステムで使っているのかを学ぶことができました。
最初にHANZOのようなAIの社会実装がちゃんとできているプロダクトに触れられたのは、本当に幸運で、ものすごく勉強になりました。

経験を積むほどに大きな仕事を任せられるようになり、今では自己紹介でお話しした通り、AIチームマネージャーとして機械学習モデルの部分を担当しています。

大変なこととやりがい

AIエンジニアとして機械学習モデルの精度改善を行っていると、沼にハマることが良くあります。
事前にデータ分析して立てた仮説を元に機能を実装して精度の検証をするのですが、一発でうまくいくことは稀です。
思ったよりあまり改善しなかったり、ある店舗では精度が上がるけど別の店舗では下がったり、複数の改善を合わせると逆に精度が下がったり……。
何度も試行錯誤して、ちょうどいい塩梅に調整するのにとても時間がかかります。

その分、狙った通りに精度が上がったときは本当に嬉しいです。
予測と実績がぴったりなグラフを見てると幸せな気持ちになり、ご飯を何杯でも食べられます。
何より、お客様からお褒めの言葉や感謝の言葉をいただいた時の喜びは、筆舌に尽くし難いです。

これからの抱負

まだまだAIエンジニアとして未熟で、知識も経験も足りていないことを痛感する日々ですが、継続して勉強し、スキルアップしていきたいと考えています。
特に統計学の知識を深めたいので、まずは統計検定準1級取得を目指します!
HANZOプロダクトの予測精度も改善の余地があるので、スピーディに検証と実装を繰り返して、精度向上に邁進する所存です!

また、予測精度改善のための実証実験も行っており、その成果を3月10日(金)に『社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2023)』内の「第17回行動変容と社会システム研究会」で発表する予定です。
その内容については別途記事を書く予定ですので、お楽しみに!

おわりに

ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
AIエンジニアとして働きたい方に、少しでも役立つ情報があったなら幸いです。

そして、この記事を読んでGoalsに興味が湧いた、自分も未経験だけどAIエンジニアやりたい、俺AIエンジニアだけどリードしてやるよ等々ございましたら、是非↓からカジュアル面談をお申し込みください!
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